アイモバイルは2026年7月期の通期連結決算を発表しました。売上高は221億46百万円(前期比2.9%増)、営業利益は41億77百万円(同1.1%増)と、いずれも過去最高を更新しました。一方、親会社株主に帰属する当期純利益は28億90百万円(同2.3%減)となりました(決算説明資料および決算短信)。
主力のコンシューマ事業は売上高195億38百万円(同2.5%増)、営業利益41億1百万円(同2.0%増)と堅調に推移しました。同社は、ふるさと納税事業の寄附受付金額が過去最高を記録し、市場シェアも拡大したと説明しています。ただし第1四半期の寄附増加に伴う販促費の上振れや、前期に生じた収益計上時期のずれの影響もあり、実質ベースでは前期比17.1%増としています。
対照的にインターネット広告事業は売上高23億16百万円(同4.0%減)、営業利益74百万円(同51.4%減)と減益となりました。同社は、既存アセットを活用した新規事業モデルへの収益構造改革の途上にあると位置付けており、計画自体は達成したとしています。
ふるさと納税事業、高成長から安定成長へ移行
同社は、ふるさと納税市場が税制改正や制度・運用ルールの変更を受け、これまでの高い成長局面からより安定的な成長局面へ移行しつつあると分析しています。2025年度の全国のふるさと納税受入額は前年度比4.6%増の1兆3,314億円、控除適用者数は同6.5%増の約1,151万人と過去最高を記録した一方、利用率は18.5%にとどまっており、市場拡大の余地は依然大きいとみています。

こうした環境の下、同社は「ふるなび」ブランドの認知度向上策やプロモーション活動により契約自治体数・会員数の拡大を進めています。自治体との共創による体験型返礼品の拡充や、自治体連携強化に向けたふるさと納税業務代行サービスの提供も推進しています。加えて、ふるさと納税と宿泊予約を一体で利用できる「ふるなびトラベル予約」の提携施設拡充や、会員基盤を活かした決済サービス「ふるなびマネー」の浸透・定着にも取り組んでおり、サービス間を横断した展開で継続利用の促進と収益基盤強化を図る方針です。

アドネットワーク事業は事業構造の再構築へ
祖業であるインターネット広告(アドネットワーク)事業については、国内インターネット広告市場自体は2025年に前年比110.8%の4兆459億円と成長を続けているものの、生活者の行動・消費様式の変化により広告フォーマットの主流が移り変わり、アドネットワーク型広告市場の成長は相対的に鈍化していると説明しています。
これを受け、同社は複数プロダクトを組み合わせたソリューション提供体制の構築や顧客ターゲットの見直しを進め、事業構造の再構築に着手しています。新たな収益モデルの開発を通じて収益基盤の多様化と収益性改善も図るとしており、当期の減益はこうした投資・構造改革フェーズにあることが要因と位置付けられます。連結範囲では、株式会社サイバーコンサルタントを除外する変更も行われました。

グリーンエネルギー事業も拡大
地方創生を掲げるグリーンエネルギー事業では、営農型・野立て太陽光発電所を当連結会計年度中に新たに29ヶ所稼働させ、稼働中発電所は合計51ヶ所となりました。2025年11月に系統連系した系統用蓄電池は、2026年3月から需給調整市場に参入し、足元で収益に安定的に貢献しているといいます。子会社「株式会社ふるなび電力」では高圧電力需要家への供給や自治体連携に加え、ふるさと納税でも支払いが可能な家庭向け低圧電気料金メニュー「スマートプライスプラン」の提供を開始し、契約獲得が進んでいます。

2027年7月期の業績予想は、売上高222億円(同0.2%増)、営業利益45億円(同7.7%増)としています。年間配当は27円とし、計画通りの増配となりました。自己株式取得も実施し、総還元性向は68.8%となっています。






