情報分析・意思決定支援サービスを手がける英RELXは2026年10月22日、2026年1~9月期の基調収益成長率が前年同期比7%になったと発表しました。通期見通しは据え置き、基調収益と調整後営業利益の両面で強い成長が続くとの見方を維持しています(SEC提出書類)。
RELXは学術出版大手のエルゼビア(Scientific, Technical & Medical)、法務情報サービスのレクシスネクシス(Legal)、リスク分析(Risk)、展示会事業(Exhibitions)の4セグメントで構成されます。
開示資料によると、4部門のうち最も伸びが大きかったのは法務部門(Legal)で、基調収益成長率は前年同期比10%でした。検証済みの信頼性あるコンテンツと継続的に拡張されるエージェント機能を備えた統合型AI法務リサーチ・分析プラットフォームの採用が成長をけん引していると説明しています。
リスク部門(Risk)は8%成長し、金融犯罪コンプライアンスとデジタルの不正・本人確認(Fraud & Identity)ソリューションに加え、保険分野での寄与型データベースや市場特化型ソリューションの普及が伸びを支えています。
科学・技術・医学(Scientific, Technical & Medical)部門は6%成長となりました。新製品投入のペース加速と好調な新規販売が寄与しており、業界で信頼される一次コンテンツを基盤にしたAI対応ソリューションの展開が、データベース・ツール・電子リファレンス事業を押し上げています。
特に、研究者向けに新たに投入したAIワークスペース「LeapSpace」は顧客から非常に高い評価を得ており、利用が急速に拡大していると明らかにしました。また、一次研究(Primary Research)領域では論文投稿数が非常に力強く伸び、数量面での成長を支えています。

展示会部門(Exhibitions)は4%成長にとどまりました。イベントポートフォリオ自体の成長プロファイルは強いものの、中東情勢の混乱による下押しを受けたためです。同部門ではデジタル施策による顧客向け価値向上を引き続き進めているとしています。
通期見通しについては、リスク・STM・法務の3部門で基調収益成長率を上回る基調調整後営業利益成長を見込むとしており、展示会部門では中東の影響を除けば前期比で調整後営業利益率の改善を見込むとしています。全社としては、基調収益・調整後営業利益・一株当たり調整後利益(為替一定ベース)のいずれも強い成長が続く年になるとの見通しを再確認しました。
学術出版・法務情報という伝統的なコンテンツ資産を抱える企業が、AI活用によって二桁成長を達成している点は注目に値します。
日本では学術論文データベースや判例情報サービス、業界専門メディアを手がける事業者にとって、保有コンテンツと独自データセットを生成AI・エージェント機能と組み合わせることで高付加価値な分析・意思決定支援ツールへ転換するという同社の戦略は、収益源の多角化を模索する国内パブリッシャーにとって参考になる事例といえます。



