セプテーニ・ホールディングスは、人材採用支援事業やWebマーケティング事業を手掛けるメディアハウスホールディングスの株式を取得し、子会社化することを決議しました。取得価額はアドバイザリー費用等を含め合計で約108億円、株式譲渡実行日は2026年11月4日を予定しています(開示資料)。
メディアハウスホールディングスは1983年設立で、全国の中小企業を元気にするというミッションを掲げ、HR Tech事業とMar Tech事業を展開してきました。
求人アグリゲーションメディアを中心に高い外部評価を得ており、長年の実績に裏打ちされた中小企業向け顧客基盤と広範な営業網を強みとしています。2025年12月期の売上高は145億円、営業利益は6億4800万円で、過去3期にわたり増収増益が続いています。
中期経営計画における位置付け
セプテーニ・ホールディングスは2026年2月に「VISION 2030」を策定し、顧客の企業価値最大化を実現するパートナーを意味する「VALUE MAXIMIZER」を目指す姿として掲げています。現行の中期経営計画(FY2026-2028)では「事業の深化」と「事業の探索」を基本方針とし、既存事業のシナジー創出による拡大と、未来の収益柱への投資加速を重要施策としてきました。
同社は1990年に人材採用コンサルティング事業を祖業として設立された経緯があり、現在の主力であるマーケティング・コミュニケーション事業ではデジタル広告を軸とした統合マーケティングサービスを大手広告主に提供しています。
また、HRマーケティング領域では人的資産研究所を設立し、AIマッチングシステムなどを手掛けてきたほか、デジタル広告運用のノウハウを生かして求人アグリゲーションメディアの運用支援にも注力してきました。
構造的な労働力不足を追い風に
同社は、国内で構造的な労働力不足が進む中、採用関連サービス市場が拡大を続けると見ています。特に運用型求人広告市場は今後数年にわたり年平均20%前後の成長が見込まれ、2030年ごろには求人広告市場の過半を占めるまで拡大すると推測しているとのことです。AI時代の採用活動においてHRマーケティングの重要性が増していくとの認識も、今回の意思決定の背景にあります。
今回の子会社化により、運用型求人広告市場におけるグループのシェア拡大と、顧客への提案力・購買力の最大化を見込んでいます。メディアハウスホールディングスが持つ中小企業顧客基盤と営業網を、大手企業を中心とするセプテーニ・ホールディングスの既存顧客層やケーパビリティと組み合わせることで、相互補完的な事業基盤の構築を狙う考えです。
なお、メディアハウスホールディングスの株主である株式会社HKと波戸内啓介氏は、現時点で合わせて議決権比率の43.1%を保有しており、株式譲渡実行日までに他の既存株主から株式を集約する努力義務を負っています。全株式の集約が完了しなかった場合でも、発行済株式の3分の2以上を集約できればスクイーズアウトにより完全子会社化する予定です。
2026年12月期の連結業績への影響は軽微とされていますが、2027年12月期の業績予想については現在精査中で、2027年2月予定の通期決算発表で公表するとしています。

