新型コロナウイルスに破壊された報道機関、ジャーナリズムは存続可能なのか?

米国に拠点を構える報道機関のオフィスの多くは、コロナウイルスのロックダウンが解除され従業員がオフィスに戻ってくる時には、静かになっていることでしょう。

メディア その他
<p><span>Photo by <a href=

本記事はThe Conversationに掲載された、アメリカのUniversity of Oregonでジャーナリズムを専門とするDamian Radcliffe教授による記事「COVID-19has ravaged American newsrooms – here’s why thatmatters」をCreative Commonsのライセンスおよび執筆者の翻訳許諾の下、掲載するものです。

米国に拠点を構える報道機関のオフィスの多くは、コロナウイルスのロックダウンが解除され従業員がオフィスに戻ってくる時には、静かになっていることでしょう。

新型コロナウイルスは、メディア業界に甚大な被害を与えています。米国だけでも、36,000人以上のジャーナリストが職を失ったり、自宅待機になったり、給料がカットされたりしています。

ジャーナリズム研究所Poynterのクリステン・ヘアー氏の分析によると、200以上の報道機関やメディア団体がレイオフや合併、印刷部数の削減などのコスト削減策の影響を受けているとのことです。ローカルジャーナリズムは特に大きな打撃を受けています。

「パンデミックは追い風」と評価している報道機関でさえも、新型コロナウイルスによるネガティブな影響を受けている状況です。例えば、アトランティック・メディア社は、購読者が3月から9万人増加しているにも関わらず、5月に68人の従業員を解雇しました。これは同社の全従業員の17%に相当する人数です。

一部の専門家が危惧するように、パンデミックが「絶滅を引き起こすレベルの出来事」であり、主要メディアがかつての恐竜と同様の道を辿ることになれば、民主主義へ悲惨な影響を及ぼすことになるかもしれません。そうなれば、ジャーナリズムの目的である、権力者の説明責任を追求すること、人々に正確な情報を提供し権利を保障すること、そして地域にそのコミュニティの情報を提供することを実現する能力が劇的に低下してしまうでしょう。


《The Conversation》

関連タグ

The Conversation

The Conversation

The Conversationは2016年に設立された研究者や専門家によるニュースやオピニオンを伝えるメディアです。

特集