FacebookとGoogleに頼れない世界で、メディアは多様な収入源の確保が急務に

ニュースメディア分野に対する改革に関する最近の批判を見ると、GoogleとFacebookだけがこの分野の唯一のプレイヤーだと思ってもおかしくないでしょう。

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本記事はThe Conversationに掲載された、オーストリアのRMIT UniversityのJames Meese教授とオーストラリアのQueensland University of TechnologyのEdward Hurcombe教授による記事「Facebook and Google used to be the future of news. But now media companies need more strings to theirbow」をCreative Commonsのライセンスおよび執筆者の翻訳許諾の下、掲載するものです。

ニュースメディア分野に対する改革に関する最近の批判を見ると、GoogleとFacebookだけがこの分野の唯一のプレイヤーだと思ってもおかしくないでしょう。

オーストラリアの計画的改革は、昨年のオーストラリア競争・消費者委員会(ACCC)によるデジタル・プラットフォームに関する調査を通じて作成されたもので、改革はこの2つのテック巨人の活動に焦点を当てています。

GoogleとFacebookが、オーストラリアのニュースメディア企業のコンテンツ制作費の支払いを義務付けられる可能性のある草案の下で規制される最初のプラットフォームになることは明らかです。こうしたオーストラリアの動きは、ACCCの「オーストラリアのニュースメディア企業とGoogleとFacebookの間には、大きな交渉力の不均衡が存在する」という主張への対応といえます。

ニュースメディア企業は、良くも悪くも基本的にGoogleとFacebookの影響から逃れられないというのが一般的な見方です。しかし、数年前はこうした見方が正しかったかもしれませんが、現在メディア企業は、他にも新規読者を獲得する手法があることに気付き、アクセス数には貢献するが企業にお金を支払わないプラットフォームに依存する必要はないと考えています。

2010年代半ばには、多くのニュース会社がFacebookの一挙手一投足に追随していました。例えば、Facebookが動画コンテンツを押し出すようになるとメディアは動画コンテンツの作成に注力しました。また、Facebookがアクセス誘導の見出しの順位を下げると、ライターはニュースフィードでの存在感を維持するためにコンテンツ内容の変更を行いました。また、報道機関はGoogleのサービスに(直接的ではないにせよ)依存していました。

このように、GoogleとFacebookのアルゴリズムへの適応が重要課題になっていたため、過去10年の間にメディア企業の慣習は完全に変化しました。


《The Conversation》

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