グーグルの「AI Mode」が招くメディア業界の「本格的な危機」【Media Innovation Weekly】5/26号

・グーグルの新機能「AI Mode」がメディア業界に深刻な影響を与えている
・AI機能の導入によりトラフィック減少と広告収益の損失が懸念される
・メディア企業は収益モデルの見直しやコンテンツ戦略の再構築が必要になる

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グーグルの「AI Mode」が招くメディア業界の「本格的な危機」【Media Innovation Weekly】5/26号

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今週のテーマ解説 グーグルの「AI Mode」が招くメディア業界の「本格的な危機」

検索エンジンで圧倒的な地位を築いてきたグーグルが、新機能「AI Mode」で今までのやり方を一変しようとしています。5月20日の年次開発者会議「グーグル I/O 2025」で発表されたこの機能は、従来の検索結果とは一線を画すAIチャットボット風のインターフェースを提供します。一見すると利用者の利便性向上を狙った革新的な取り組みに見えますが、一方で、メディア企業とパブリッシャーの収益モデルは危機的な状況を迎えています。

米国の業界団体News/Media Allianceは早速、この新機能を「盗用の定義そのもの」と厳しく批判し、司法省に独占禁止法違反での調査を求める声明を発表しました。同団体のダニエル・コフィー会長兼CEOは「リンクこそが、パブリッシャーにトラフィックと収益をもたらす検索の最後の救いの質だった。今やグーグルは強制的にコンテンツを取り上げ、何の見返りもなく利用している」と述べています。

果たして、この新たな検索体験は単なる技術革新なのか、それともメディア業界の収益基盤を根底から揺るがす「パンドラの箱」なのでしょうか?

AI Modeの仕組みと従来検索との決定的違い


《Manabu Tsuchimoto》

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デジタルメディア大好きな「Media Innovation」の責任者。株式会社イード。1984年山口県生まれ。2000年に個人でゲームメディアを立ち上げ、その後売却。いまはイードでデジタルメディアの事業統括やM&Aなど。メディアについて語りたい方、相談事など気軽にメッセージください。

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