メディアはまだ「嵐の前の静けさ」、電通/セガXD片山氏・・・メディア業界2021年の展望(4)

新型コロナウイルスによって平時と全く異なる一年となった2020年。みなさんにとってはいかがだったでしょうか? そして2021年に向けてどのような事を取り組んでいくのでしょうか? 今年もMedia Innovationで大変お世話になった皆様に今年の振り返りと来年への展望をお聞き…

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メディアはまだ「嵐の前の静けさ」、電通/セガXD片山氏・・・メディア業界2021年の展望(4)
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新型コロナウイルスによって平時と全く異なる一年となった2020年。みなさんにとってはいかがだったでしょうか? そして2021年に向けてどのような事を取り組んでいくのでしょうか? 今年もMedia Innovationで大変お世話になった皆様に今年の振り返りと来年への展望をお聞きました。「メディア業界2021年の展望」全ての記事を読む。

電通で新規事業の立ち上げに携わりながら、セガグループとの合弁会社であるセガエックスディーの取締役CSOも務める片山智弘氏。今年は6月に開催した「Media Innovation Connect #1」にて登壇いただきました(講演レポート)。セガエックスディーでは幅広い企業課題・社会課題をエンタテインメントアプローチで解決する事を目指しているということですが、そんな片山氏はメディア業界をどう見たでしょうか?

片山 智弘
株式会社セガ エックスディー取締役CSO/株式会社電通 片山 智弘
慶應義塾大学大学院在学中に、就職活動試験のSPI練習サイトを運営する会社を経営。事業をサイトM&Aで売却して大学院修了後、電通入社。入社後は一貫して新規事業系部署に所属。広告市場と隣接する領域で活用が見込まれる最新デジタルテクノロジーやメソドロジーのパッケージ商品化・事業化を主に実施。その中でメディア企業とも協業やアドバイザリー多数。
直近では、電通グループのアセットを活かしたスタートアップ向けのマーケティング支援チーム及び商品の開発や、セガゲームスのグループ会社でゲーミフィケーションを提供するクロシードデジタルの資本提携をしてJV化を実施。自身も役員として経営陣として参画。

2020年はメディア業界にとってどのような年だったでしょうか?

変な表現かもしれませんが、「嵐の前の静けさ」という印象を受けました。

今年はコロナ禍により、ニューノーマルということで、各企業でも業務や業態の変革に向けてデジタルトランスフォーメーションがバズワード化してビジネス環境が全般では大きく変化しましたが、メディア業界における真のニューノーマルはもっとこれから先のフェーズで見えてくるのかなと思いました。

もちろん、他業界と同じく業務上のテレワークやオンライン取材、カンファレンスのウェビナー化、ワークスタイルの変換や事業の見直しなどはあったかもしれません。

しかし、メディア業界では、コロナ禍以外でも、個人情報保護法改正、iOSでのCookie対する扱いの変更、Facebookの独禁法違反訴訟、SNSやメディアでの誹謗中傷問題、YouTube番組への芸能界進出とYouTuberの地上波出演の双方の加速、大小様々なM&Aの活性化など、国内外どちらでも、明らかに市場のルールが変わりうる兆しとなる課題やトピックが今年まさに膨大にでていたと思います。

メディア業界全体においてはこれらの市場環境に対して、上記の当事者になった企業様以外は、具体的な変化や事業対応については、まだこれからな企業様がほとんどではないでしょうか。今後が一気に業界の過渡期になるのではと思っています。

これからのメディアに求められること、直面する課題はどういったことでしょうか?

上記で迎える新しい環境変化を取り入れた、事業価値創出が必要になります。

新しいデータ関連の法整備環境でのデータ戦略の方針出し、報道や記者・投稿に対するチェックガイドラインの今一度の改定や見直し、事業ポートフォリオの再編検討は最低限必要になるのではないかと思います。

そして、その中で上記の戦略を組んで最適化されたメディアとしての新しい表現や体験価値の創出ができるような情報のフォーマット開発も進んでいくのではないかと思っています。広告フォーマットもニューノーマルでの勝ちパターンの発見はまだまだこれからな気がしています。

それは、これまでのものを全てディスラプトして起こるというものではなく、また新しい選択肢として徐々に表れていくものなのではないでしょうか。

2021年に取り組みたいと考えていることはどういったことでしょうか?

上記の後半と絡むことなのですが、更なるデジタルテクノロジーの活用と深化です。

XRやIoT、5G、ブロックチェーンなど今トレンドになっているテクノロジーが、よりメディアの体験価値を変えて、一部は次のパラダイムを生み出すようなものにまで昇華することができるのではないかと考えています。

PoCレベルでは始まっているものも多数ありますが、更にメディアのユースケースの解析や事例創出ができると考えています。

私は特にそれらを活かした新しい表現技法へのトライアルやデバイス転用などに、一当事者としてチャレンジしたいと考えています。

その中で、メディア企業の皆様と引き続きご一緒させていただき、微力ながら一緒に市場を盛り上げて、次のトレンドを共に創出・リードする一助になれるように尽力できたらと考えております。

本年も誠にありがとうございました。

23日には今年を振り返るイベントを開催

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Media Innovationが毎月開催しているオンラインセミナー「Media Innovation Meetup」ですが、12月はメディア業界の今年を振り返り、2021年の展望を語るイベント+オンライン飲み会として、12月23日(水)に開催いたします。

今年のメディア業界を賑わせたテーマとして「広告」「音声」「サブスクリプション」を特に取り上げ、アドテクスタートアップとして急成長する株式会社FLUXの平田慎乃輔CPO(チーフ・プロダクト・オフィサー)、音声広告事業に取り組む株式会社オトナルの八木太亮社長、ニュースレタープラットフォーム「theLetter」を運営する株式会社OutNowの濱本至社長に登場いただきます。

MIの運営メンバーからは株式会社コンテンツジャパンの堀鉄彦社長、株式会社メディアインキュベートの浜崎正己社長、株式会社イードの土本も参加します。去年のように海老会とはいかないのですが、悲しみを堪えつつ、激動の2020年を振り返る会にしたいと思います。ぜひともご参加宜しくお願いします。こちらから参加申し込み(無料)

■開催概要
名称: Media Innovation Meetup #22 2020年の振り返りと来年に向けての展望
開催: Zoomを使ったオンライン開催となります
料金: 無料(事前登録が必要です)

■スケジュール
19:00 開演
19:00~19:30 広告の部 ゲスト: 株式会社FLUX 平田慎乃輔CPO
19:30~20:00 音声の部 ゲスト: 株式会社オトナル 八木太亮社長
20:00~20:30 ニュースレターの部 ゲスト: 株式会社OutNow 濱本至社長
20:30~21:30 オンライン飲み会の部(※)~今年の振り返りと来年への展望
※ぜひ来場者の皆様もご参加ください

《Manabu Tsuchimoto》

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Manabu Tsuchimoto

デジタルメディア大好きな「Media Innovation」の責任者。株式会社イード。1984年山口県生まれ。2000年に個人でゲームメディアを立ち上げ、その後売却。いまはイードでデジタルメディアの業務全般に携わっています。

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