古くからある手法ながら、読者のメールボックスへ定期的に直接届けられるという点が再評価され、注目を集めているニュースレター。Substackなどの専門プラットフォームらの登場により、企業・個人を問わずニュースレターを活用する例が増えています。
米ノースカロライナ州シャーロットのローカルニュースレターであるThe Charlotte Ledgerの年間収益がおよそ175,000ドル(約2000万円)ペースで好調に推移していることが、Axios Charlotteの取材で明らかになりました。GoogleやFacebookなどの隆盛の影響もあり、ローカルジャーナリズムの担い手である地元新聞社・テレビ局の多くが経営不振に苦しんでいますが、ジャーナリストが独立してニュースレターを発行することでローカルニュースの需要を満たし、多くの収入を得るというビジネスモデルは理にかなっており、The Charlotte Ledgerはその好例といえます。
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The Charlotte Ledgerは、ニュースレタープラットフォーム「Substack」で配信されています。創業者であるTony Mecia氏はシャーロットの地元紙「The Charlotte Observer(シャーロット・オブザーバー)」のほか、ニューヨーク・タイムス、ワシントン・ポスト、ウォール・ストリート・ジャーナルなど多くの有力紙に寄稿してきた経験があります。
Mecia氏は雑誌出版社を辞めた後、フリーランスとして働きながら、2年前にニュースレターの発行を開始。当時は300人程度のTwitterのフォロワーしかいないという状況でしたが、1年間、無料購読のみで運営を行い、3000人の無料購読者を獲得したのちにサブスクリプションモデルを導入し、有料購読プランを新設しました。
現在、有料購読プランは年額99ドル、または月額9ドルです。累計では2000人の有料購読者と6900人の無料購読者がいるほか、月に50人~80人程度が新規加入しているようです。
経費としては、Substackの手数料(10%)と決済サービスStripeの手数料(3%)の他、唯一フルタイム従業員として雇っているジャーナリスト Cristina Bolling氏やその他運営スタッフ、フリーランスの寄稿者への支払いが発生します。Axiosは、Mecia氏のもとに残るキャッシュフローはおよそ7万500ドルほどだろうと推測しています。
Mecia氏は、従来のニュースレターの他にも訃報や交通関係など、新たなテーマでのニュースレターをスタートさせるなど、現在も継続的に事業規模を拡大させ続けているとのこと。
ニュースレターは、世界的に多くのメディアが活用し始めていますが、このように、個人のジャーナリストがその経験や能力によってニュースレタービジネスを始める例も増えているよ