プライバシー意識が高まるも、ソーシャルメディアを広告あり・無料で使いたい人が多数・・・米認識調査

米国におけるソーシャルメディアへの認識に関する調査により、個人情報の利用への懸念が高まっているものの、広告ありでも無料で使用したいと考えるユーザーが多数を占めることが明らかになったとのことです。一方で、広告がないのであればソーシャルメディアに一定料金を支払いたいと考えるユーザーや、Appleのプライバシーポリシー変更を理由にAppleへの乗り換えを検討しているユーザーも存在します。

個人情報の利用への懸念が高まる

この調査は、インターネットユーザーのプライバシーに関する情報を提供する企業Privacy HQが実施。オンライン調査プラットフォームを用いて抽出された18歳から81歳までの米国人1,007人を対象に、各ソーシャルメディアに関するアンケートをとりました。なお、回答者の56.5%が男性、43.5%が女性で、平均年齢は37歳とのことです。

米国で懸念が高まっているのが、個人情報の利用です。ユーザーは、ソーシャルメディアやその他のオンラインサービスに無料でアクセスする代わりに個人情報を共有しており、経済的・政治的な利益のためにさまざまな形で利用されています。しかし最近では、自分の情報がどのように使用されているか、自分の情報が第三者の手に渡らないようにするにはどうすればよいかについて関心を寄せる人が増加しているようです。

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調査結果のうち、特に次の4つが重要なポイントであるとPrivacy HQは発表しました。

・米国人の28.1%が、「政府がソーシャルメディアに資金を提供していると思う」と回答
・ソーシャルメディアユーザーは、「30分ごとに平均4つの広告を目にしている」と主張
・米国人は、広告のないTwitterに月額14ドルまでなら支払うと回答
・Androidユーザーの62%以上が、iOS 14.5から利用可能になったAppleの新しいプライバシーポリシーを理由に、Appleへの乗り換えを検討

調査で明らかになった具体的な内容は次のとおりです。

若い世代ほどオンライン広告経由で商品を購入

ソーシャルメディアの資金調達方法に関するアンケートにより、次の事実が得られたとしています。

・81.4%が「広告のおかげでソーシャルメディアを無料で利用できる」と回答
・63.1%が「個人情報を提供することでソーシャルメディアが成り立っている」と回答
・28.1%は「政府がソーシャルメディアに資金を提供している」と回答し、そのうち42.6%がZ世代だった。実際に政府は2020年、ソーシャルメディア広告に数百万ドルを費やしている

Privacy HQの発表より

また、オンライン広告への反応に関するアンケートにより得られた次の事実も公表しました。

・過去1カ月間に、ユーザーは平均139ドルをインターネット広告で見つけた商品に支払ったが、若い世代ほど購入する傾向がある
・インターネット広告経由で商品を購入した経験がある人のうち、ベビーブーム世代は44.2%、X世代は56.2%、ミレニアル世代は66.3%、Z世代は78.7%だった
・特にTikTokの広告は若年層に効果的で、Z世代の5人に1人が過去1カ月間にTikTokの広告を見て何かを購入したことがある

Appleの新しいプライバシーポリシーへの強い支持

Appleは2021年6月にプライバシーポリシーを更新し、アプリがユーザーの行動を追跡したり、個人情報を第三者に提供したりする際に、ユーザーに許可を求めることを義務付けました。このプライバシーポリシー更新に関する次の事実が明らかになったとしています。

・78.6%がより厳格なデータプライバシーポリシーを支持すると回答
・Appleユーザーの69.3%が新しいプライバシーポリシーを支持
・Androidユーザーのうち89.4%が、「自分もアプリが個人データを追跡するのを防ぐオプションが欲しい」と回答
・Androidユーザーの62%以上が、新しいプライバシーポリシーを理由にAppleへの乗り換えを検討

Privacy HQの発表より

広告ありでも無料で使用したい人が多数

ソーシャルメディアで広告があっても無料で使うのと、広告なしで支払いをするのではどちらが良いかに関する質問をしたところ、次の事実が判明したとのことです。

・ソーシャルメディアユーザーは、「30分ごとに平均4つの広告を見ている」と主張
・72.9%は、「広告のないソーシャルメディアにお金を払うよりも、広告があっても無料で使用したい」と回答
・広告なしで支払いをする意思のある人の大半は、「月額利用料ではなく1回限りの利用料を払いたい」と回答
・72.9%が「プレミアムアカウントで最も利用したい機能は、広告なし機能」と回答

Privacy HQの発表より

また、各ソーシャルメディアを広告なしで利用できるオプションがあったとしたら最大何ドルまで支払えるか質問したところ、次の回答が得られました。

・広告のないTwitterに対しては、月額14ドルまで支払うと回答
・一方でSnapchatやPinterestに対しては、Twittterの半分の7ドルまで支払うと回答

Twitterユーザーは、他のプラットフォームと比べて特に広告にうんざりしているのかもしれません。なお、Twitterでは有料サブスクリプションプラン「Twitter Blue」が提供されていますが、ブックマークフォルダなどの機能が利用可能となるだけで、広告を非表示にすることはできません。あくまでヘビーユーザー向けの追加機能という位置づけのようです。

Privacy HQの発表より

若年層ほど広告ブロックを使用

インターネット広告を減らす方法の一つである広告ブロッカーの多くは、無料で利用でき、ブラウザの拡張機能やモバイルアプリの形で提供されています。広告ブロックについては、次の事実が明らかになったとのことです。

・最も人気がある広告ブロッカーは、「AdBlock」または「AdBlock Plus」
・年齢が上がるにつれて広告ブロッカーの使用率は低くなる。ベビーブーム世代の約36%は広告ブロッカーをまったく使っておらず、X世代の30.3%、ミレニアル世代の22.5%、Z世代の13.9%も広告ブロッカーをまったく使っていない
・広告ブロッカーを使用している人のなかで、主にデスクトップまたはノートパソコンを利用している人の割合は85%

Privacy HQの発表より

個人情報の流出を懸念するユーザーは多くいるものの、広告がない代わりにソーシャルメディアに料金を支払う意思を持つユーザーはまだ多くない実態が、今回の調査から明らかになりました。Appleのプライバシーポリシー変更や広告ブロッカーのように、無料で利用できるツールが重要な役割を果たしそ

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Yuka Hirose
Yuka Hirose
ライター・翻訳者。大学で工学を学び精密機器メーカーで勤務ののち、2020年に独立。群馬県出身。

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