11月15日、Substack上の有料サブスクリプション購読者が100万人を超えたと発表されました。誰でも有料サブスクリプションを始めることができるニュースレタープラットフォームSubstackは、4年前にスタートしてから年々利用者を増やしてきました。同プラットフォームを運営するSubstack社は次の目標を「購読者1,000万人」と掲げています。
急成長するSubstack
Substackは有料のニュースレターを個人で配信できるニュースレタープラットフォームです。サブスクビジネスを始めるのに必要な決済・配信手段などを無料で提供する同サービスは、2017年の開始以降、利用者を順調に増やしてきました。収益の10%(手数料)以外はライターの利益となることもあり、ニュースルームで働いていたジャーナリストらが独立するケースが増えています。さらには、バットマンのライターなど大物アメコミ作家も同サービスへ移籍したことが報告されています。
急成長を続けたSubstackは11月15日、昨年12月には25万人だった同プラットフォーム上の有料サブスク購読者が100万人を突破したことを報告しました。同社はこれについて、既存メディアからの吸い上げでも他プラットフォームからの再配布でもない新しいメディアエコシステムに、資金が殺到していると強調しています。
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同社によれば、毎週数百万人もの人々がSubstack上のコンテンツを購読し、上位10件のサブスクリプション収益だけで年間2,000万ドル以上にもなると言います。この収益のほとんどがライターへ支払われているということも強調されています。
多様なコンテンツのジャンル
Substackの特徴として、配信されるコンテンツジャンルの豊富さがあります。ニュースレター形式において、アニメ、カクテル、昆虫食、建築物理、オペラ、テキストゲームなど多種多様なジャンルが配信されています。さらに最近では、エピソード形式のコミックやポッドキャストも配信されています。
開始当初のSubstackは、ブロガー、ジャーナリスト、アナリスト、学者に人気がありました。しかし今では、ポッドキャスター、コミック作家、金融系ライター、単行本作家も利用するプラットフォームへと変化しています。
今後の成長戦略
Substack社は、同プラットフォームのさらなる成長に向けて重要なことは、広告やエンゲージメントなど従来の経済モデルから離れた新たなメディア文化の構築であると述べています。この新たなメディア文化はライターと読者が主導するべきであるといい、そのために両者のコミュニティ育成に焦点を当てていくと宣言されています。
同社は今まで、Substack Grow、Substack Local、Substack fellowshipsなどによってライターの教育や支援に力を入れてきました。これらに加えて、以下の施策を行っていくことが述べられています。
- オーディオ、ビデオ、コミュニティ構築へのサポートを広げつつ、Substackのシンプルかつ強力なパブリッシングツールを強化
- 編集、デザイン、保険、資金供給などライターが最高の仕事して結果を残すのに必要なサービスへアクセスできるようSubstackビジネスを成長させる
- アテンション・エコノミー(人々の注目・関心を集めることが価値を持つ経済)とは切り離した「相互プロモーション」、「コラボレーション」、「読者とのつながり形成」を行えるライターのためのディスカバリーネットワークの構築
Substack社は今後の成長目標に、有料サブスク購読者の1,000万人到達を掲げました。同社は、「今のトレンドが弱まる理由は見当たらない」と言い、目標達成に向けて自信を見せて