「放送」×「新事業」をさらにしていきたい、フジテレビジョン 清水氏・・・メディア業界2022年への展望(9)

今年もメディア業界は様々な事がありました。Media Innovationではいつもお世話になっている業界関係者の皆様に「2021年の振り返りと、2022年のメディア業界」というテーマで寄稿をお願いしました。年始にかけて順次掲載して参ります。いろいろな振り返りから、皆さんが2022年を考えるきっかけにしてもらえればと思います。

YouTubeチャンネルを立ち上げ、ハフポストと「課題解決型コミュニティ」を立ち上げるなど新規事業をどんどん立ち上げある株式会社フジテレビジョン コンテンツ事業部副部長 兼ニュース総局報道局 兼広報局広報宣伝部 清水 俊宏 氏にコメントいただきました。

清水 俊宏
2002年フジテレビ入社。政治部記者として小泉首相番などに従事したのち、新報道2001ディレクター、選挙特番の総合演出、ニュースJAPANプロデューサーなどを歴任。2016年からはデジタルを中心とした新規事業を担当するようになり、ニュースメディア『FNNプライムオンライン』(http://www.fnn.jp/)やエンタメメディア『フジテレビュー!!』(https://www.fujitv-view.jp/)など立ち上げ。2021年には自らファシリテーターをつとめるYouTubeチャンネル『#シゴトズキ』(https://www.youtube.com/channel/UCbNAbmb6X3MYJFwFIoIltOg?sub_confirmation=1)をスタートさせたほか、講演やラジオ出演など社外での活動も多数。

今年のご自身の仕事を振り返っていかがだったでしょうか?

「放送」と「新事業」の二刀流を意識しながら働いた一年でした。「放送」では、新型コロナや総選挙などのニュースのオンエアに携わったり、深夜バラエティ番組で新しいフォーマットに取り組んだりと、テレビ事業の深化に向けて、一定の成果を残せたのではないかと思っています。

一方、「新事業」では、未来に向けた探索の種をいくつかまきました。自分自身がファシリテーターとして出演するYouTube番組『#シゴトズキ』(https://www.youtube.com/channel/UCbNAbmb6X3MYJFwFIoIltOg?sub_confirmation=1)もそのひとつ。「仕事が好き!」という各界のリーダーたちを“シゴトズキマイスター”として招き、ビジネスに役立つ思考法を聞く番組です。大企業の経営者や若手起業家、マーケターなど、たくさんの方に出演してもらっています。

『#シゴトズキ』は、動画事業としても様々な展開を想定していますが、本質は「教育・コミュニティ事業」です。これからテレビ局がグロースしていくうえで必要な第一歩になったとさえ感じていますので、ぜひチャンネル登録をして、今後の展開を楽しみにしていただければと思います。

今年一番注目した出来事は何だったでしょうか?

ジェフ・ベゾスや前澤友作さんが宇宙へ行ったことは、新時代の幕開けを感じさせる出来事でした。民間人の宇宙旅行が一般化すれば、ロケットの機内や月面などでのコンテンツ需要が新たに出てくるかもしれません。そうなればテレビ局にとってはチャンスです。そんな、これまで存在しなかったビジネスの新機軸が続々登場するでしょう。

『#シゴトズキ』でも民間宇宙スタートアップ「ALE(エール)」の岡島礼奈社長から人工流れ星について話を聞いたのですが、これも本当にワクワクさせてくれる事業でした。

“人工流れ星の素”を人工衛星から放出して大気圏に再突入させることで、見たい時間に見たい場所で流れ星が見られるという仕組み。人工流れ星をイベントで使ってテレビ中継と連動させるなど活用法も多そうです。宇宙のニュースに触れるたび、夢もロマンもチャンスも妄想力も広がります。

もちろん新しい需要が生まれるのは宇宙だけではありません。仮想空間、環境、ブロックチェーンなど、様々な領域にアンテナを張っておくことが今後ますます重要となりそうです。(岡島礼奈さんの出演回はhttps://youtu.be/iveaErXGiw4

2021年の出来事で、今後の焦点となりそうな事は何だと思いますか?

2021年はFacebookをめぐるニュースによく触れました。「安全より利益を優先していた」という内部告発や「メタ」への社名変更は、今後も大きな焦点になると思います。“第五の権力”とさえ言われるSNS自体のパワーや可能性が急激に衰えるということはないでしょうが、ユーザーや企業のSNSに対する意識や接し方は、これまで以上に大きく変化するかもしれません。

自分の発信した情報が知らない人の間にもどんどん拡散されていくことが当たり前だった世界から、閉じたコミュニティの中で安心して情報を発信しあう世界を求める風潮も強まっています。

テレビの歴史に例えると、力道山のプロレス中継を見るため2万人が街頭に集まって知らない人同士が盛り上がった黎明期から、一般家庭にテレビが普及して「家族みんなで一緒に見る」「友達同士で盛り上がる」のが当たり前の普及期に入ったイメージでしょうか。

SNSを使っているユーザーが想定している「相手との距離」を見誤ると、メディアやビジネスは苦戦をすることになりそうです。Facebookが新しい社名にも使っている「メタバース」も、仮想空間の中なので「相手との距離」がより鮮明に意識されます。SNSやメタバースが2022年にどのような変革や広がりを見せていくのか、注目しています。

2022年への意気込みを聞かせてください

「競争よりも共創の時代」と言われることが増えました。2022年も、「放送」×「新事業」など色々なものを掛け合わせる取り組みをさらにしていきたいと考えています。

特に、業界も特徴も全く異なる他社との連携を深めていくつもりです。たとえば、ハフポストさんとは「課題解決型コミュニティ」を一緒に生成しました。

ESGなどで様々な課題を感じている企業からお題を出してもらい、ワークショップでコミュニティメンバーたちと一緒に解決策を導き出して、実行までおこなうプロジェクトです。アウトプットとして、ハフポストの記事や#シゴトズキの動画なども準備して、「言いっぱなしだけではない解決型」にしたいと考えています。

課題解決に一緒に取り組むことで、さらに新たな連携や共創環境を作っていくことが最大の目的で、スタートアップも含め、多くの方や企業を巻き込んでいければと思っています。(ハフポスト×#シゴトズキの詳細はhttps://youtu.be/JdAIS8no_hA

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【12月6日更新】メディアのサブスクリプションを学ぶための記事まとめ

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浜崎 正己
浜崎 正己
メディアの立ち上げと運用を支援する(株)メディアインキュベート の代表。1988年千葉県生まれ。Twitter : https://twitter.com/masaki_hamasaki

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