活発化するM&A、ライバルの買収に踏み切る各パブリッシャー ・・レポート「Media Moments 2021」

メディア界のニュースや見解を紹介している「Media Voices」と「What’s New In Publishing」は、2021年のメディア業界の動向をまとめたレポート「Media Moments 2021」を発表しました。前回のeコマース編に続き、今回はM&A編についてご紹介します。 2021年はM&Aがジ…

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メディア界のニュースや見解を紹介している「Media Voices」と「What’s New In Publishing」は、2021年のメディア業界の動向をまとめたレポート「Media Moments 2021」を発表しました。前回のeコマース編に続き、今回はM&A編についてご紹介します。

2021年はM&Aがジェットコースターのように繰り返された一年で、各企業はこの機会にライバル企業の買収に踏み切りました。一方で、買い手にとってより魅力的な企業になることを目指して創意工夫した企業もあり、その結果はまちまちだったようです。

M&A取引の内容

今年は米バズフィードによるベライゾンメディアからのハフポストの買収で幕を開けました。バズフィードのCEOであるジョナ・ペレッティ氏は、2月の契約締結からわずか数週間で、米国のニュース編集室から50人近くを削減し、カナダ版のハフポストを閉鎖、英国のニュースチームの半数以上を削減しました。ジョナ・ペレッティ氏はこのコストカットについて、「今期の収支均衡を達成し、黒字化への道を早めるためには必要だった」と述べています。

そのわずか数カ月後に、バズフィードはコンプレックス・ネットワークスを3億ドルで買収することに合意したと発表しました。同時にバズフィードは特別目的買収会社(SPAC)と合併することで株式を公開。同社は、ポスト・パンデミック広告ブームの恩恵を受け、eコマースの成長も著しいものでしたが、上場後に株価が急落。雲行きは怪しい状況です。

ドイツの出版大手アクセル・シュプリンガーは、8月に米国の政治ニュースメディア「ポリティコ」を買収しました。取引額は10億ドル超と言われています。同社は2015年にポリティコ欧州版(Politico Europe)をジョイントベンチャーとして立ち上げており、今回の買収で残りの50%を買い取りました。


《Kasumi Matsumoto》

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