ニューヨーク・タイムズのデジタル購読者数は18万人増加、デジタル広告収入は若干減少

ニューヨーク・タイムズ社の第2四半期の調整後営業利益は7,600万ドルで、前年同期比18%減となりました。総売上は5億5,570万ドルで、前年同期比11.5%増となりました。このうちデジタル配信売上は、2億3,870万ドルで、25.5%増加しました。約18万人のデジタル専用購読者を純増させましたが、デジタル広告収入は若干減少したということです。

今回の営業利益への打撃は、同社が2月に5億5000万ドルで買収したスポーツニュースサイト、The Athleticの損失が主因。一方、The Athleticの調整後の営業損失は、4月から6月までの今四半期で1260万ドルで、第1四半期の約1940万ドルから減少しています。

デジタルの購読者数は841万人で、印刷版の購読者数は76万人で合計917万人。印刷版は2万人減少しましたが、デジタルで18万人増加しました。一方、契約件数ではデジタルが981万件に対して、印刷が75万件の計1056万件となりました。

ニューヨーク・タイムズの戦略で重要なのは、購読者と定期購読者のカテゴリー区分です。購読者は、The Athletic、Cooking、Wirecutterなど、同社の複数の製品を購読することが出来、それぞれのグループにデジタルニュース製品をバンドルすることで、さまざまな関心を持つ新しい読者を獲得することに賭けています。

The Times Companyの社長兼CEOであるメレディス・コピット・レヴィエン氏は、アナリストとの電話会議で、「ニュースは依然として我々の価値提案の中核ですが、このバンドルは、ニュースへの関与の増減と関係なく、The Timesがこれまで以上に幅広い人々にとって不可欠な存在となることを保証するものです」と述べています。

第2四半期は、ニュース、ゲーム、料理、Wirecutter(お買い物ガイド)、The Athletic(スポーツ)を含むデジタルアクセスユーザーの新規加入者数が過去最高だったと、レヴィエン氏は述べました。デジタル専用加入者の純増数は18万人で、2021年第2四半期の純増数から70%増となった。第1四半期から41万8千人のユーザー登録に達しています。なお、The Athleticは直近の四半期で5万人のThe Athleticのみの単体加入者を純増させました。

なお、印刷版の購読者数は、第2四半期も減少を続けており、前年同期比7%近く減の約76万1000人でした。印刷広告は、娯楽や高級品のカテゴリーがパンデミックから回復し始めたため、前年同期から15.1%回復し、4,810万ドルとなりました。 総営業費用は19.6%増の5億400万ドルです。また、クイーンズ区カレッジポイントにあるタイムズの印刷施設の土地の売却益が3420万ドルあったとされます。

デジタル広告収入は、景気の不透明感からマーケターが支出を抑えたため、 前年同期比2.4%減少し、6,930万ドルとなりました。同社は、当四半期のデジタル配信料収入は前年同期比で21%から25%増加する見込みであると述べています。同期の総広告収入は横ばいまたは微減、調整後営業費用は9~13%増加する見込みだとのことです。

これらの発表による市場の反応は、当日の取引開始時から約1%下落しましたが、投資家には、印刷版の減収や広告収入の減少は予想範囲内で、購読者と定期購読者のカテゴリー区分によるニュースバンドルの戦略の推進が支持されているようです。

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オックスフォード大学のロイタージャーナリズム研究...
前田邦宏
メディアイノベーション見習いスタッフ。海外調査の最新動向を担当。分野を問わず、調べ物が好き。

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