「@cosme」のアイスタイルに米Amazonが140億円出資・・・市場一時ストップ高

15日、日本最大のコスメ・美容サイト「@cosme」を運営する株式会社アイスタイルが、米国Amazon及び三井物産株式会社と資本業務提携を締結することがわかりました。Amazonのドメイン内で「@cosme」ブランドのストアを開設するほか、三井物産から海外展開や物流、店舗開発で支援を受ける予定です。

アイスタイルは、コスメ・美容サイト「@cosme」を運営するほか、同ブランドでECや、実店舗の展開も行っており、22年8月時点で国内24店舗を展開しています。また、海外展開も積極的で、中華圏や北米にECや店舗を展開しています。

今回、併せて実施される資金調達では、米国Amazonから新株予約権で115億3800万円、新株予約権付社債で25億円、アイスタイル代表取締役である吉松徹郎氏の資産管理会社であるワイから新株予約権で18億5200万円、三井物産、トリプルフォー投資事業組合からも新株予約権付社債でそれぞれ15億円と10億円の出資を受けます。これにより、アイスタイルは総額で183億9000万円を調達することになります。

今回の資金調達での新株発行によって、米国Amazonが36.97%の株式を保有しアイスタイルの筆頭株主となる予定です。また、三井物産で3.98%、トリプルフォー投資事業組合で2.65%の持ち株比率となります。一方、現在9.64%を保有し筆頭株主である吉松徹郎氏は、新株発行により持株比率が4.97%に低下し第3位の株主となります。

今回の提携には、市場の期待も膨らんでいます。15日の18時台に提携が発表されてから、翌16日の同社株価は、取引が始まってから377円のストップ高で推移しました。

提携の背景にあるのは、事業環境と資金面の悪化です。同社売上高の12.3%を占める海外事業は、2019年中国新EC法の施行による日本から中国への越境ECの競争激化、香港情勢の激化などにより、以前から縮小・撤退が余儀なくされる局面でした。加えて2020年からの新型コロナウイルス感染拡大により、収益の柱である広告収入の減少、化粧品業界でとくに大きいインバウンド需要の蒸発による実店舗の売上減少に見舞われました。そのため、20年6月期には23億円の営業損失を計上し、3期連続で営業赤字から脱せずにいます。

そうした厳しい事業環境にもかかわらず、同社の資金需要は増加しています。同社は、2019年10月に借り入れた長期借入金の一括返済期限が本年10月に迫っていることに加えて、個人情報保護への関心の高まりとECの競争激化に対応するためのテクノロジー投資、人流の回復と入国制限の段階的な緩和への対応と、さらなる資金が必要になります。そのため、今回の資本業務提携となりました。

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Taketo Yoshida
Media Innovation編集部 ジャーナリズムとニュースメディアのマネタイズに興味あり。

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