メディアプラットフォーム「note」が上場承認、想定時価総額44億円

メディアプラットフォーム「note」を展開するnote株式会社が東証グロース市場に12月21日に上場することが承認されました。想定発行価格の300円から算出した上場時時価総額は44億円。

noteは「だれもが創作をはじめ、続けられるようにする。」をミッションに2011年12月に設立(当初の社名は株式会社ピースオブケイク)。創業者の加藤貞顕氏はアスキー、ダイヤモンド社で編集者として活躍した後に当社を創業しました(「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」などベストセラー多数)。祖業は当時としては珍しかったサブスクリプションで複数の作家が手掛けるコンテンツを提供する「cakes」(2022年終了)。後にC2Cで誰でもコンテンツを販売できるプラットフォーム「note」をリリースしました。

インターネットにおいては良質なコンテンツを収益化するための手段が広告以外には確立されておらず、その広告も表示回数を基盤とすることから悪化が良貨を駆逐する状態が起きやすいと同社は説明。課金モデルによって、創作活動を継続するためのエコシステムを構築する事を目指すとしています。

2022年8月時点での四半期の流通額は28億3500万円で、購読者数(購入者)は35万7000人となっています。流通額は四半期ごとに順調に伸びている事が分かります。

noteプラットフォーム上での四半期の流通額推移、ARPUは課金ユーザー平均、テイクレートはnoteの取り分割合

またC2Cプラットフォームと並ぶ柱となっているのが、noteをCMSとして月額5万円で提供する「note pro」の事業です。こちらは企業ブログや採用ブログなどで活用されるケースが多く、2022年8月時点での有料契約数は564件、ARRは3億4024万円となっています。

流通額や売上面で順調な拡大が続いている一方で、利益面では創業以来一環して赤字が続いていて、2021年11月期は売上高18億8400万円に対して経常損失が4億3300万円となっています。進行期の2022年11月期の第3四半期では売上高が17億2900万円に対して、営業損失は5億1400万円と拡大しています。この利益面がどうなっていくかが今後の評価を分けそうです。

大株主は加藤代表(34.87%)のほか、フェムトグロースキャピタル(11.15%)、日本経済新聞社(6.07%)、Image Frame Investment(テンセント系ファンド 5.94%)、ジャフコ(5.82%)、CA Startups Internet Fund(4.35%)、UUUM(2.51%)、テレビ東京(2.51%)、SMBCベンチャーキャピタル(2.02)、マイナビ(1.82%)、電通デジタル(1.7%)、TBSイノベーションパートナーズ(1.7%)、イード(1.7%)など。少数株主にはBASE、文藝春秋社なども。

※開示: Media Innovationを運営する株式会社イードはnote株式会社に出資しています

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【12月6日更新】メディアのサブスクリプションを学ぶための記事まとめ

デジタルメディアの生き残りを賭けた戦略の中で世界的に注目を集めているサブスクリプション。月額の有料購読をしてもらい、会員IDを軸に読者との長期的な関係を構築。ウェブのコンテンツだけでなく、ポッドキャストやニュースレター、オンライン/オフラインのイベント事業などメディアの立体的なビジネスモデルをサブスクリプションを中核に組み立てていく流れもあります。

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