IACが発表した第2四半期(4-6月)の業績によれば、傘下のドットダッシュ・メレディスの売上高は4億1400万ドル(-15%)、営業損失は1780万ドル(―)でしたが、調整後のEBITDAは5410万ドル(+38%)の黒字を維持しました。売上は大幅に減少し、デジタルは2億1200万ドル(-10%)、印刷は2億0680万ドル(-21%)でした。
デジタルでは広告枠の販売が低調で、エンタメや金融領域でのトラフィックの減少によりパフォーマンス広告も低調でした。小売パートナーへのライセンス契約も低迷しました。金融や健康の分野ではアフィリエイト広告に注力し、若干の改善が見られたということです。印刷では部数の低下が響きました。
ドットダッシュ・メレディスは、専門メディアを運営するドットダッシュ(元のアバウトドットコム)が、出版社のメレディスを買収して誕生しました。メレディスの買収後はシステムを統合し、デジタルビジネスを伸ばしていくのに注力してきました。下記のグラフは各ブランドのシステム統合からの年月と、トラフィックの状況を示したものです。元々のドットダッシュブランドではInvestopedia、The Spruce、Verywell Healthなどのトラフィックが好調だそうです。
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同社によれば、広告市況は軟調で、特にプログラマティック広告は年間で5-10%の減少が見られるとのこと。セグメント別では小売、化粧品、旅行、自動車などが好調だった一方で、金融、テクノロジー、通信、エンターテイメントが弱いとのこと。特にハリウッドのストライキの影響もあり、エンターテイメントやストリーミングなどの分野が厳しいようです。
ドットダッシュ・メレディスではクッキーレスに対応した広告プラットフォーム「D/Cipher」を立ち上げ、これに注力していく方針です。同社が保有するデータを活用し、クッキーレス環境でも精緻なターゲティングが可能で、高単価での広告販売に繋げたい狙いです。既に自動車、衣料品、食品、小売などでセールスが進んでいるということです。
プログラマティック広告では一部のパフォーマンスの低い広告枠を削除するような取り組みも進めているとのこと。
CEOのJoey Levin氏によれば売上高が苦戦しているものの、6月末には前年同期比で1%成長まで改善できているということで、次の四半期以降の報告が楽しみです。