生成AIの劇的な進化の中、世界のジャーナリストは根本的な問いに直面しています。機械が人間より速く記事を書き、編集し、配信できる時代に、ジャーナリストだけができることは何なのか――。
5月2日、バンコクで開催されたユネスコ(国連教育科学文化機関)の「世界報道自由デー2025」イベントでは、この課題が議論の中心となりました。タイ外国特派員協会(FCCT)との共催で行われたこのパネルディスカッション「人工知能、報道の自由、メディア」には、ジャーナリスト、研究者、AI専門家が集結し、新興技術がニュースルーム、編集の独立性、そして社会の信頼に与える影響について話し合いました。
今年の世界報道自由デーのテーマは「勇敢な新世界での報道」。オルダス・ハクスリーのディストピア小説から引用されたこのフレーズについて、ユネスコ・バンコク事務所のメディア・コミュニケーション専門家ジョセフ・ヒンクス氏は「ハクスリーはユネスコの設立使命に深く関わっていた。生成AIがジャーナリズムを再構築し、数年前には想像もできなかった方法で認識の扉を叩いているから、このテーマは適切です」と説明しました。