株式会社アイズは2026年12月期第2四半期(中間期)決算を発表し、売上高は559百万円と前年同期比10.2%増となり、中間期として過去最高を更新しました。営業利益は19百万円、経常利益は17百万円で、いずれも前年同期の損失から黒字に転換しています。経常利益の通期計画に対する進捗率は308.8%に達しており、詳細は決算説明資料と決算短信で公表されています。

増収増益をけん引したのは、2025年9月にM&Aで取得したファクタリング口コミ・比較サイト「ファクログ」です。中間期の売上高は156百万円で、全社売上構成比の28.0%を占めるまでに拡大しました。四半期ベースで見ると前年同四半期比で約3倍の成長を遂げており、通期計画に対する進捗率も125.1%と早くも上振れています。

ファクログが第3の柱に プラットフォーム運営ノウハウを転用
同社はメディアレーダーやトラミーといった既存プラットフォームの運営で培った営業・マーケティング・開発を一気通貫で担う体制を、買収後のファクログにもそのまま持ち込みました。決算説明会の質疑応答では、この自社完結型の体制により成長施策を迅速に投入できたことが急成長の要因として説明されています。金融領域は単価が高く収益性に優れることから、経営資源を重点的に配分し中期的な成長ドライバーへ育てる方針です。
7月には、ファクログの集客力を活用したオンラインファクタリングサービス「レゾナス」の提供も開始しました。当初は法人向けとしてスタートしましたが、ファクログ利用者の約8割が個人事業主であることを踏まえ、個人事業主まで対象を拡大しています。上場企業でプライバシーマークも取得している信頼性を訴求しつつ、ファクログからの送客を軸に取引実績を積み上げており、同社はこれを第4の柱に育てたい考えです。

既存事業は減収 情報収集行動の変化に対応迫られる
一方、既存の主力サービスは苦戦が続いています。メディアレーダーの売上高は180百万円で前年同期比33.1%減となりました。生成AIの普及に伴い顧客の情報収集行動が変化し、リード数を多く獲得できる一括資料ダウンロードから、確度の高い個別資料ダウンロードへ利用の比重が移ったことに加え、広告宣伝投資を抑制したことが響きました。トラミーも売上高173百万円で前年同期比9.7%減となり、第1四半期の落ち込みを第2四半期の回復で補い切れませんでした。
トラミーについては案件単価の向上や新規顧客開拓に加え、生成AIを活用した広告レポートの自動作成による業務効率化も進めています。また会員の継続利用を促す新機能「トラミーリワード」も導入し、モニター案件への応募機会がない期間でもサイトへのアクセス動機をつくることで、会員のアクティブ率向上を狙っています。
AI活用を全社的に拡大 効率化と提供価値向上を両立
同社は2025年から2026年にかけて、ユーザー向け・社内向けの両面でAI活用領域を広げています。ユーザー向けにはAIとの対話で広告プランを立案する機能やSNS投稿の法令自動チェック機能を導入し、社内向けには問い合わせ対応の自動応答やレポート作成の自動化を進め、運営工数の大幅な削減につなげています。一部機能は特許出願中としており、業務効率化とユーザー価値向上の両立を継続的なテーマに掲げています。

通期見通しは据え置き
通期業績予想については、2026年2月公表の数値から変更はなく、売上高1,008百万円、営業利益7百万円、経常利益5百万円としています。中間期時点での経常利益進捗率は計画を大きく上回っていますが、会社側は既存事業の情報収集行動の変化など不透明要素も抱えており、ファクログとレゾナスを軸とした金融領域の拡大が下期以降の業績を左右する構図となりそうです。






