メディアの「第三のマネタイズ」を支援、Glossom小室氏・・・メディア業界2021年の展望(10)

新型コロナウイルスによって平時と全く異なる一年となった2020年。みなさんにとってはいかがだったでしょうか? そして2021年に向けてどのような事を取り組んでいくのでしょうか? 今年もMedia Innovationで大変お世話になった皆様に今年の振り返りと来年への展望をお聞きました。「メディア業界2021年の展望」全ての記事を読む。

DMP、SSP、ヘッダービディングなどの広告ソリューションを提供するグリーグループのGlossom。同社取締役の小室氏はSSP「アドフリくん」を提供するADFULLYを創業し、同社がGlossomに買収された事からGlossomに加わり、現在は取締役を務めています。広告業界に造形の深い小室氏に今年の振り返りと2021年の展望を伺いました。

小室 喬志
Glossom株式会社 取締役
2003年、成蹊大学経済学部を卒業後、株式会社寺島情報企画に入社し、2013年よりSSP事業の立ち上げを担当。2015年に同事業を法人化し、株式会社ADFULLYを設立、代表取締役に就任。2016年6月のGlossomによるADFULLY子会社化に伴い、Glossom入社。同年9月、執行役員に就任し、SSP事業を管掌。2019年1月、Glossom株式会社 取締役に就任。

2020年はメディア業界にとってどのような年だったでしょうか?

2020年は新型コロナウイルス感染症拡大の影響で特定の業界が大きな打撃を受ける中、巣ごもり需要が追い風となり、利用者を大きく伸ばしたメディアも見受けられました。

特に広告マネタイズを行なっているゲームやマンガアプリにおいては、利用者が長期休暇時の水準まで増えた事で広告表示回数を大きく伸ばしました。

広告主サイドでは、ゲーム・コンテンツ業界はコロナによる目立った悪影響はなく、中国大手ゲームアプリや、ハイパーカジュアルゲームが主要クライアントである外資系の動画アドネットワークにおいては広告単価の落ち込みは殆ど無いように感じます。

また、今年後半にアプリメディアにとって大きな話題となったのは、iOS14のリリースに伴うIDFA共有についてのオプトイン義務化についてです。

施行は2021年初頭に延期されましたが、元々アプリ領域の多くのアドテクノロジーはIDFAをベースとしたターゲティングを行なっており、IDFAの使用が制限される事で広告主のマーケティング精度は低下し、メディアにとってはCPMの低下につながると予想されています。

参考『フェイスブック、広告ネットワークからIDFA利用を削除へ…開発者の収益は50%減の可能性もあると警告

まとめると、新型コロナ感染症ウイルス拡大の影響による一長一短はありましたが、昨年より続く個人情報保護強化の流れを受け、アドテクノロジーの肝であるターゲティングが制限されるため、アプリメディアの広告マネタイズへの強い逆風となっている印象です。

これからのメディアに求められること、直面する課題はどういったことでしょうか?

上述の通り、個人情報保護強化が進み、ユーザーのプライバシーが正しく管理されることが重要視される中で、来年はAppleによるIDFAオプトイン義務化が施行され、ユーザーターゲティングを収益化の肝とする広告テクノロジーはマーケティング精度を担保する事が難しくなり、多くのアプリの広告収益が低下すると予想されます。

その中で、アプリの収益化においては従来のプログラマティックな広告テクノロジーの利用だけではなく、純広告やアプリ内課金、サブスクリプションなど幅広い収益化方法の可能性を視野に入れた上で、自社のアプリやユーザーにマッチした施策を実行し、素早いPDCAでアプリごとの最適解を見つけることが課題となっています。

WEBだけではなく、アプリにおいてもプログラマティック/純広告(記事タイアップ)に続く「第三のマネタイズ」の重要性は以前にも増しております。

2021年に取り組みたいと考えていることはどういったことでしょうか?

上述したIDFAオプトイン義務化の影響により、収益性が低下するアプリメディアは多く、当社のメディア独自アンケートにおいても、アプリ売上低下については諦めている…という意見が多く見受けられました。

Glossomではこのような背景を踏まえ、各アプリが直面する課題に向き合い、最適な収益化施策の提案と実行をサポートするプロジェクト「Project Blossom(通称プロブロ)」を発足しました。

『Glossom、iPhoneユーザー向けの広告識別子「IDFA」使用制限後もアプリの継続的な売上成長を支援するプロジェクト「Project Blossom」を始動』

「プロブロ」では、国内最大級であるアプリ向け収益化プラットフォームである「アドフリくん」を始め、IDFAオプトイン義務化の影響を受けづらいオファーウォールアドプラットフォーム「GREE Ads Reward」など、複数のマーケティングプロダクトのデータを横断的に分析することによって各アプリに最適な収益化施策を幅広く提案します。

また、わたくし小室を始めとした広告マネタイズ経験の豊富なメンバーが、それぞれのアプリの課題やユーザーに沿った収益化施策を提案いたします。

『Glossom = Growth(成長)+ Blossom(開花)』

社名の由来の通り、みなさんが心血を注いで成長させてきたアプリが、継続的に成長と開花(成功)ができるよう、パートナーとして伴走したいと考えております。

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【10月12日更新】メディアのサブスクリプションを学ぶための記事まとめ

デジタルメディアの生き残りを賭けた戦略の中で世界的に注目を集めているサブスクリプション。月額の有料購読をしてもらい、会員IDを軸に読者との長期的な関係を構築。ウェブのコンテンツだけでなく、ポッドキャストやニュースレター、オンライン/オフラインのイベント事業などメディアの立体的なビジネスモデルをサブスクリプションを中核に組み立てていく流れもあります。

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Manabu Tsuchimoto
デジタルメディア大好きな「Media Innovation」の責任者。株式会社イード。1984年山口県生まれ。

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