政治を超えたイノベーションを繋ぐ役割を、36Kr Global馬成CEO・・・メディア業界2021年の展望(16)

新型コロナウイルスによって平時と全く異なる一年となった2020年。みなさんにとってはいかがだったでしょうか? そして2021年に向けてどのような事を取り組んでいくのでしょうか? 今年もMedia Innovationで大変お世話になった皆様に今年の振り返りと来年への展望をお聞きました。「メディア業界2021年の展望」全ての記事を読む。

中国を代表する経済メディアで、ナスダックにも上場している36Kr。日本でも日経新聞とパートナーシップを組んで日本語版の36Kr Japanを運営しています。今回は日本を含む36Krのグローバル事業を統括する36Kr Globalの馬 成 CEOに2020年の振り返りと、2021年への展望をお聞きしました。

馬 成(Max)
36Kr Global CEO
36Krではセールス、マーケティング、イノベーション、海外ビジネスで責任者を歴任。世界トップクラスのグローバル企業に様々なサービスを提供してきた。2019年には36Krの海外事業を統括する36Kr Globalを設立、CEOに就任。東南アジア、インド、日本支社をまとめ上げ、アジア地域全体におけるイノベーションの活性化を推進、日本経済新聞社との戦略提携の責任者も務める。

2020年はメディア業界にとってどのような年だったでしょうか?

2020年はメディア業界にとって非常に厳しい1年だったと思います。 世界規模で多くの「ブラックスワン」と呼ばれるような予測不可能な危機が起きていることから、2020年は社会ニュースや政治ニュースが世の中を支配することになりました。このような状況は、特に産業系やテック系メディアには、非常に重苦しい雰囲気をもたらしました。また、各メディアが自分の発言や報道に対して、中立的・客観的な姿勢を保てず、多くの出来事の「真相」が曖昧になってしまったように感じます。ある意味では、一部のメディアはこの一年間に果たすべき役割や価値を全うしていなかったと思います。 これはメディア業界にいるものとしてとても悔しいことでした。

これからのメディアに求められること、直面する課題はどういったことでしょうか?

メディアのビジネス化・商業化の問題ですね。如何にマネタイズするかという難題を目に前にし、中立性や客観性を失うメディアが増えていくことと思います。読者がメディアをうまく見極めることができないと、マスコミが与える社会への悪影響や、ミスリードが何倍にも増幅してしまうのではないかと心配しています。バランスが崩れてしまえば、優秀なジャーナリストは職を失うかもしれないし、その反動としてメディアは過激派の道具ともなり得ます。 一方でメディアであっても、一企業として生き残らなければなりませんので、商業化というのは避けて通れない課題となっていくでしょう。

2021年に取り組みたいと考えていることはどういったことでしょうか?

テクノロジーやビジネスのイノベーションには、本来政治的な色はありません。それらは、人々の生活をより良くするという使命を持って作られたものです。 私はメディアの力を発揮し、今後とも革新し続ける社会や産業界を深く掘り下げ、複数の異なる国や地域を繋いで、より良い技術や事業連携を創出していきたいと考えています。イノベーションを起こしている企業や個人が、自分たちが何をすべきかをより客観的かつ公正に考えられることを願っていますし、また私たちのメディアがその役割の一端を担えるように努力していきます。それによって社会が前進していけると信じています。

2,624ファンいいね
226フォロワーフォロー
2,150フォロワーフォロー

【7月27日更新】メディアのサブスクリプションを学ぶための記事まとめ

デジタルメディアの生き残りを賭けた戦略の中で世界的に注目を集めているサブスクリプション。月額の有料購読をしてもらい、会員IDを軸に読者との長期的な関係を構築。ウェブのコンテンツだけでなく、ポッドキャストやニュースレター、オンライン/オフラインのイベント事業などメディアの立体的なビジネスモデルをサブスクリプションを中核に組み立てていく流れもあります。

【7月27日更新】音声メディア(ポッドキャスト)の最新動向を学ぶための記事まとめ

ポッドキャストに代表される音声コンテンツは、特に...

最新ニュース

お知らせ

Manabu Tsuchimoto
Manabu Tsuchimoto
デジタルメディア大好きな「Media Innovation」の責任者。株式会社イード。1984年山口県生まれ。

関連記事