KADOKAWA、ソニーとサイバーエージェントから100億円を調達・・・ゲーム事業で協業強化

株式会社KADOKAWAは、ソニー株式会社と株式会社サイバーエージェントに対して第三者割当増資を実施し、合計約100億円を調達すると発表しました。3日の終値である3515円でそれぞれ142万2475株を割り当て、両社は1.93%を保有する第9位株主となります。 KADOKAWAは書籍、映…

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KADOKAWA、ソニーとサイバーエージェントから100億円を調達・・・ゲーム事業で協業強化

株式会社KADOKAWAは、ソニー株式会社と株式会社サイバーエージェントに対して第三者割当増資を実施し、合計約100億円を調達すると発表しました。3日の終値である3515円でそれぞれ142万2475株を割り当て、両社は1.93%を保有する第9位株主となります。

KADOKAWAは書籍、映画、アニメ、ゲーム、UGCプラットフォームなどポートフォリオから継続的にIP(Intellectual Property)を生み出して、それを世界に広く展開することを中核とした「グローバルメディアミックス」を基本戦略としてきました。同社は書籍やアニメで特に強みを持ちますが、世界市場で更に重要性を増しているゲーム分野におけるIPの開発・展開力の強化を最重要課題として認識、両社との協業で推進していく考えです。

なお、KADOKAWAとソニー及びサイバーエージェントは既に協業関係にありますが、資本関係に踏み込む事で、更に強化したいとしています。ソニーは家庭用ゲーム機の「プレイステーション」や傘下のアニプレックスが『FGO』で大ヒットを飛ばすなどゲーム事業に強みを有します。またサイバーエージェントもスマホゲームを主に展開するCygaemsが国内有数のパブリッシャーとなっています。

100億円の具体的な使途としては (1)新規IPの創出・開発・取得(2)既存IP活用の最大化 の2点を挙げ、2023年3月までにそれぞれ50億円を支出する計画。

(1)では権利獲得やコンテンツホルダーへの出資・買収に充てるとしています。製作委員会への出資による権利獲得のほか、出版社・アニメ制作会社・ゲーム会社など海外も含めた会社買収も想定しているとのこと。1億円未満~10億円を超える規模まで想定しているとして、2社との共同での取り組みの可能性もあるとしています。

(2)では年間5000点を刊行している書籍発祥のIPをコミック、アニメ、映画、ゲームなどに展開している従来の手法だけでなく、アニメやゲームを起源に持つIPを多面的に展開していくことも想定しているとのこと。グローバル展開では英語圏、中国語圏など言語人口の多い地域を主要なターゲットとして地理的に広げていく事を考えているとのこと。

《Manabu Tsuchimoto》

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Manabu Tsuchimoto

デジタルメディア大好きな「Media Innovation」の責任者。株式会社イード。1984年山口県生まれ。2000年に個人でゲームメディアを立ち上げ、その後売却。いまはイードでデジタルメディアの業務全般に携わっています。

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