Piano、サブスクリプション戦略のためのベンチマークレポート第一弾を発表・・・無料トライアル実施は減少傾向、休眠顧客は平均で40%

デジタルコンテンツに関わるソリューションを提供し、数100社と協業中のPianoは、サブスクリプション戦略に不可欠なエンゲージメント、コンバージョン、リテンションなどに関する分析結果を発表しました。年間2回の発行を予定しているこの分析レポートは「サブスクリプションパフォーマンスベンチマークレポート」と呼ばれ、第一弾となる本レポートでは2020年のパンデミック下における動向に焦点が当てられています。この記事では、レポート中の興味深いポイントをピックアップして紹介していきます。

時系列に伴うエンゲージメントの推移

Pianoが定義するエンゲージメントは、コンテンツへアクセスした一月あたりの日数を表しており、ユーザーのアクセス習慣を測る指標として最適であると言います。昨年の大きな傾向として、パンデミックによりニュースサイトへのトラフィック増加があり、これがエンゲージメントを押し上げ、有料登録までのファネル短縮につながっていたようです。

調査の1つとして、サブスクリプションビジネス立ち上げの1年目と2年目において、ユーザーが有料登録(コンバージョン)するまでのエンゲージメント数が集計されました。結果、1年目では、有料登録を行うまでのエンゲージメント数は初回訪問が33%、5日以上の訪問が約43%であったことが分かりました。その一方2年目では、初回訪問が約41%、5日以上の訪問が約32%と大小が逆転しています。これは、ビジネス立ち上げから時間が経過するとともに高エンゲージメントのユーザーが減少するということを示しており、低エンゲージメントのユーザーを如何に有料登録させるかに重点を置くべきと同社は主張しています。

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もう1つの調査として、既に登録済みのユーザーのエンゲージメント数が時系列とともにどのように推移しているかが集計されました。結果、30日を過ぎた時点でのエンゲージメントは、約40%が「ゼロ」で全くアクセスしていないことが分かりました。さらに1か月後には約60%に増加するようです。このユーザーは「休眠顧客」と呼ばれ、同社によれば年間契約の約半分、月間契約の約3分の2が登録をキャンセルすることになるとのことです。したがって、登録後にエンゲージメントを促すオンボーディング戦略が重要であると同社は主張しています。

オファーの方式とコンバージョン率の関係

Pianoが定義するコンバージョン率は、有料登録オファー(案内)を見たユーザーのうち実際に登録した人数で表され、同社の顧客企業から最も問い合わせが多い指標であるようです。コンバージョン率算出の基準となる有料登録オファーの表示について、同社によれば下記の4種類があると言います。

  • ユーザー自身がアクセスするサブスクリプションランディングページ(登録画面)
  • 登録を行わなければそれ以上の購読・閲覧ができないハードペイウォール
  • 購読を妨害するが、登録しなくとも解除可能なソフトペイウォール
  • 購読を妨げず、容易に無視できるリボンや控えめな通知

同社はこれら表示形式ごとにコンバージョン率を測定しました。結果、コンバージョン率の中央値はランディングページ(LP)が2.73%、ハードペイウォールが0.11%、ソフトペイウォールが0.011%、リボン等が0.005%であることが分かりました。最も効果的なLPは次点のハードペイウォールの25倍となっていますが、以前ペイウォールに阻まれた過去や外部での口コミなど複合的な要因が影響しているためとみています。したがって、これらの4つのオファー表示を独立して考えることはせず、ペイウォール到達時に効果的にリボンを活用するなど、コンバージョンのために組み合わせることが重要であると主張しています。

無料トライアルとコンバージョン率の関係

コンバージョン率でもう1つポイントとなるのが無料トライアルの有無です。今回の調査において、無料トライアルの実施有無を集計した結果、2020年1月時点では新規月額プランの17%が実施していましたが、2020年12月では5%未満となっており、実施企業が減少していることが分かりました。さらに同社は、トライアルとその後のコンバージョン率の関係も集計し、この傾向を裏付ける結果を得ることができました。有料トライアルではたったの1ドルからでも82.1%が終了後に通常価格で継続したのに対し、無料トライアルでの割合は61.7%となり、コンバージョン率に20%近くの差があることが分かったのです。ちなみにトライアル無しでの1か月後の継続率は86.1%であり、有料トライアルからのコンバージョンとあまり差がないことも判明しました。このように、無料トライアルで多くのユーザーを呼び込むよりも、1ドルという安価でもトライアルを有料化した方が、高い継続率を維持しつつ、集客率を上げることができるため有利であると述べられています。

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【12月6日更新】メディアのサブスクリプションを学ぶための記事まとめ

デジタルメディアの生き残りを賭けた戦略の中で世界的に注目を集めているサブスクリプション。月額の有料購読をしてもらい、会員IDを軸に読者との長期的な関係を構築。ウェブのコンテンツだけでなく、ポッドキャストやニュースレター、オンライン/オフラインのイベント事業などメディアの立体的なビジネスモデルをサブスクリプションを中核に組み立てていく流れもあります。

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