米VCのアンドリーセン・​ホロウィッツが新たなデジタルメディアを立ち上げ・・・収益化無しで記事寄稿者の一般公募も

6月15日、ベンチャーキャピタルのアンドリーセン・​ホロウィッツ(A16z)が新たなデジタルメディアFutureの立ち上げを発表しました。その名の通り、未来志向のトピックスに焦点を当てたコンテンツが主となり、広告も有料コンテンツもないメディアとなっています。トピックスの範囲は、同社が投資するテクノロジー分野がメインとなりますが、将来的に広げていくことも示唆されています。また、記事寄稿者の一般公募も行っており、各分野のスペシャリストを寄稿者として呼び込みたいねらいもあるようです。

デジタルメディアFutureが提供するコンテンツ

アンドリーセン・​ホロウィッツ(A16z)は、2009年に設立されたシリコンバレーに拠点を持つベンチャーキャピタルです。バイオや暗号通貨をはじめとしたテクノロジー分野への投資だけでなく、アフリカ系アメリカ人文化の第一人者とパートナーシップを結んでおり、運用資産総額は約166億ドルにも上ります。最近では、音声SNS「Clubhouse」へ巨額の投資を行っていることでも有名です。

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そんな同社が立ち上げたデジタルメディアFutureは、実用最小限の価値を提供する製品 (MVP : A minimum viable product)という位置付けでスタートしました。コンテンツについて、最初のうちは同社が投資する分野に関するトピックスを中心にするとしつつも、取り扱う分野を段階的に広げていくとも述べられています。また、その名が示す通り現在や過去のニュースを取り扱うわけではなく、投資的側面が強い未来的、将来的なトピックスを扱っていくようです。立ち上げ前の時点で寄稿者とコンテンツについて簡単な情報が展開されており、

  • Betül Kaçar氏(アリゾナ大学教授)・・・古生物学や過去がどのように未来に活かせるか、について寄稿
  • Marvin Ammori氏(Uniswap研究所最高法務責任者)・・・分散型金融について執筆
  • Jade Raymond氏(Ubisoftのゲーム開発者)・・・大企業の知的財産権、ゲームとその制作について寄稿

のように専門性の高い内容であることが伺えます。

運営パートナーであるMargit Wennmachers氏によると、Futureでは「合理的楽観主義」という広いテーマで説得力のあるトピックスをカバーする計画となっているようです。この考え方は、テクノロジー分野全般において十分浸透されていないと同社が感じていたものであると言います。同氏によれば、同社が知見を持ち、社内にパートナーを持つ、暗号通貨、バイオ、フィンテック、不動産に関するトピックスがピックアップされるとのことです。

Futureのねらい

Wennmachers氏は、Futureが他のデジタルメディアより優れている点として、収益化をする必要がないことを挙げており、Future自体で利益を上げようとしていないことが分かります。A16zにとって、Futureは

  • オーディエンスやその所属する会社が次の方向性や指針を定めることを手助けすること
  • 異なる専門分野を複合して出たアイデアを世の中に発信すること
  • 暗号通貨やほかの先端技術に関するできたばかりのコミュニティを促進すること
  • A16zが持つ「ユニークで面白い止まり木」から作られた市場にまだ存在しないコンテンツを広めること

を目的として運営していくことが述べられており、新たな投資先誕生に向けた種まきの側面が強いと言えるでしょう。

また、収益化を意識しないにしても、エンゲージメントをもとにした効果測定を重視すると述べられています。これは、Futureが長期的な投資対象であり、費用対効果を検証するための成功指標を必要としているためです。具体的には、オーディエンスがFutureをどれだけシェアしてくれているのか、Futureに掲載されたトピックスをどれだけ話してくれているのか、などが考慮されるようです。

記事執筆者の一般公募

Futureでは記事の寄稿者を一般から募集しており、ここでその条件と応募フォームを見ることができます。どのような記事を求めているか、その条件をいくつか下記にまとめますと、

  • 特定の世界観、技術トレンド、未来がどのようなものか具体化するための考え方、についての議論
  • 未来を形作るための、枠組み、実用的なアドバイス、ビジネスモデルなどについての議論
  • 分かり切ったもしくは繰り返されてきたものではなく、より深い考察を伴う強力かつ独特な視点で議論されていること
  • 業界外の人間に対して、なぜそれが重要なのか文章で表現できること
  • トレンドに沿って幅広い分野に焦点を当てられること
  • 疑わしい話題については一般論に基づいて具体化できること
  • 受け身ではなく、積極的な議論を行っていること
  • 記事は執筆者の経歴や専門性に合ったものが望ましい
  • 記事の主張は時勢に合ったタイムリーなものであること
  • 記事の長さについては制限は設けない

のようになっており、記事執筆のハードルはかなり高いように見えます。

ベンチャーキャピタルが始めた広告も有料サブスクリプションもないデジタルメディアはこの業界でどのように見られていくのでし

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【12月6日更新】メディアのサブスクリプションを学ぶための記事まとめ

デジタルメディアの生き残りを賭けた戦略の中で世界的に注目を集めているサブスクリプション。月額の有料購読をしてもらい、会員IDを軸に読者との長期的な関係を構築。ウェブのコンテンツだけでなく、ポッドキャストやニュースレター、オンライン/オフラインのイベント事業などメディアの立体的なビジネスモデルをサブスクリプションを中核に組み立てていく流れもあります。

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