ニュースメディア上の広告はSNSより記憶に残りやすいという調査結果・・・非助成想起率はフェイスブックの2倍以上

8月20日、オーストラリアのメディア調査会社ThinkNewsBrandsは、メディアやプラットフォームにおける広告効果について国内での調査結果を報告しました(リンク先からダウンロード可能)。広告内容がどれだけオーディエンスの記憶に残っているかに焦点を当てた今回の調査では、ニュースメディア上の広告はSNS上のものよりもはるかに記憶に残りやすいという結果が得られました。

オーストラリアで行われた広告効果の調査

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オーストリア国内で行われた広告効果に関する今回の調査は、MediaScience社の監修のもとThinkNewsBrands社によって行われました。調査に参加したのは5,350人以上で、紙面、デジタル合わせた11のメディアで7つのブランドを体験した形です。また、メディア媒体ごとの広告体験に違いが出ないように、広告タイプは、静止画で3つのサイズ、動画で6秒、15秒、30秒の3つの時間に統一されています。

広告効果の測定方針は、広告内容がどれだけオーディエンスの記憶に残っているかを焦点としており、非助成想起率が重要な指標として採用されています。非助成想起率とは、情報無しで広告内容を思い出すかどうかであり、広告マーケティングにおいて極めて重要な指標の1つです。他にも、ブランド認知、情報ありでの広告想起を表す助成想起も調査指標として使われています。

ニュースメディア上の広告は記憶に残りやすい?

上記調査の結果、ニュースメディアに掲載された広告は他の媒体のものよりも記憶に残りやすいことがわかりました。具体的に、フェイスブック広告の非助成想起率は22%であるのに対し、紙面、デジタル合わせたニュースメディア広告は47%となっており、2倍以上の差がついています。このことから、ニュースメディアに広告を掲載することは、SNS上に掲載するよりもはるかに効果があると言えるでしょう。

一方、YouTube広告の非助成想起率は40%前後であり、SNSよりも高い結果です。それでもニュースメディア広告に7%の差を付けられており、優位性は変わっていません。

なぜニュースメディア上の広告が記憶に残りやすいのかについて、MediaScience社CEOのDuane Varan氏は次のように考察しています。「ニュースを見ている時、オーディエンスは何が起きているかを考えています。この、脳が活性化されている状態で広告を見ることになるので、結果的に記憶領域にアクセスしやすくなるのです。」

紙面広告は動画広告よりも優れている

ニュースメディアの中でも紙面広告がより効果的であることも判明しました。再び、フェイスブック広告と非助成想起率を比較すると、フェイスブックの動画広告が27%に対し、紙面広告は34%となっており、動きのない紙面が動画に7%も差を付けていることが分かります。また、紙面と形式が同じディスプレイ広告に至ってはわずか9%であり、4倍近くも差が付いています。

Duane Varan氏は、紙面広告がフェイスブックに対してはるかに優れていることがこの調査で最も驚くべき点であった、と述べています。また、重要なことは動画広告よりも紙面広告の方がパフォーマンスが優れていることであり、広告主たちは紙面広告の良さを忘れてしまっている、ということも指摘しています。そのうえで、オーストラリア以外の他国で同様の調査を行っても同じ結果が得られるであろうとも予測して

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