35周年の英メディア「インディペンデント」がカーボンニュートラルなど3つの取り組みを発表

10月15日、英国大手ニュースメディアの「インディペンデント(The Independent)」は、今月迎える35周年を機に3つの新たな取り組みを発表しました。インディペンデントは、英国最大級のオンラインニュースメディアであり、米国においてもトップテン入りを果たしています。同社は今回、読者が独自に署名活動を行えるYourPetitions.comの設立、ブランドへの新たな広告イニシアティブ提供のほか、2030年までの二酸化炭素排出量正味ゼロを宣言しています。

ユーザーが運営する請願サイト

調査会社Ipsos MORIの行った調査によれば、インディペンデントの読者は他のニュースメディア読者と比べて、政治や持続可能性に関する活動に積極的であることが分かっています。このような背景を受け、同紙は読者が署名活動を行えるYourPetitions.comを発表しました。

YourPetitions.comは、読者が最も関心のある問題に対し、現実世界を動かすための署名活動を行うことができるプラットフォームです。読者の立ち上げた活動はインディペンデント社から公式に承認を受ける必要はありませんが、活動ページは同紙から直接リンクされるに値するよう信頼性と敬意をもって運営されるように監修を受けます。監修は著名なIndependent Voicesに携わったジャーナリストによって行われます。

同紙のマネージングディレクターであるChristian Broughton氏は、「私たちの読者は、署名活動、選挙での投票、寄付、持続可能性のある消費者活動の選択など社会的に責任のある行動を取る傾向が強い。YourPetitions.comによって、読者が自らの考えを主張することに力を与えるプラットフォームが作られることになる」と述べています。

ブランド向けの新たな広告イニシアティブ

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インディペンデントには世界で月間平均9,600万人が訪問し、ブランドセーフな環境でブランドがそれらにリーチできることを特長としています。これを活かし、同紙はブランド向けの新たな広告イニシアティブAudience Matchを発表しました。

まずはパイロット版としての展開となり、選ばれた5つの広告主が読者データの「クリーンルーム」に参加することができ、同紙とブランドがどのように連携できるかの今までにない分析結果にアクセスできるとしています。このイニシアティブはまた、サードパーティCookieのないプライバシー第一の環境下で、ブランドが消費者への緻密なターゲッティングを可能にするとも言っています。

これと同時に、ブランド向けの統合型広告プラットフォームIndependent Advertisingも発表されました。新たな分析データベースIndependent Intelligenceの支援を受けたこのプラットフォームは、同紙が今まで提供してきた広告サービス全てをカバーしています。

カーボンニュートラル化を宣言

環境問題に関心のあるインディペンデントの読者を考慮し、同紙はあるコミットメントを発表しました。それは、2030年までに同紙が出す二酸化炭素排出量を正味ゼロ(カーボンニュートラル)にすることです。その過程で、透明性のあるアプローチをとること、進捗や成功事例を報告していくことも宣言されています。

同紙CEOのZach Leonard氏は、「ネットゼロ(正味ゼロ)のコミットメントは行動に裏打ちされてこそ意味があります。つまり、進捗状況や成功体験、課題などを報告していき、我々のアプローチの透明性を高めていきたいと考えています。」と語って

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【12月6日更新】メディアのサブスクリプションを学ぶための記事まとめ

デジタルメディアの生き残りを賭けた戦略の中で世界的に注目を集めているサブスクリプション。月額の有料購読をしてもらい、会員IDを軸に読者との長期的な関係を構築。ウェブのコンテンツだけでなく、ポッドキャストやニュースレター、オンライン/オフラインのイベント事業などメディアの立体的なビジネスモデルをサブスクリプションを中核に組み立てていく流れもあります。

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