AIをメディアでどう使いこなすか、そろそろ真剣に【Media Innovation Weekly】2/27号

おはようございます。Media Innovationの土本です。今週の「Media Innovation Newsletter」をお届けします。 メディアの未来を一緒に考えるMedia Innovation Guildの会員向けのニュースレター「Media Innovation Newsletter」 では毎週、ここでしか読めないメディア業界…

特集 ニュースレター
AIをメディアでどう使いこなすか、そろそろ真剣に【Media Innovation Weekly】2/27号
  • AIをメディアでどう使いこなすか、そろそろ真剣に【Media Innovation Weekly】2/27号
  • AIをメディアでどう使いこなすか、そろそろ真剣に【Media Innovation Weekly】2/27号
  • AIをメディアでどう使いこなすか、そろそろ真剣に【Media Innovation Weekly】2/27号
  • AIをメディアでどう使いこなすか、そろそろ真剣に【Media Innovation Weekly】2/27号

おはようございます。Media Innovationの土本です。今週の「Media Innovation Newsletter」をお届けします。

メディアの未来を一緒に考えるMedia Innovation Guildの会員向けのニュースレター「Media Innovation Newsletter」 では毎週、ここでしか読めないメディア業界の注目トピックスの解説や、人気記事を紹介していきます。ウェブでの閲覧やバックナンバーはこちらから

会員限定のコミュニティ「イノベーターズギルド」を開設しました。Discordにて運営しています、こちらからご参加ください

★アプリも提供中です →AppStore/Google Play

今週のテーマ解説 AIをメディアでどう使いこなすか、そろそろ真剣に

週末、AIでイラストを生成するStableDiffusionで遊んでいました。昨年夏に話題になったので名前をご存知の方も多いかもしれません。「今更?」という感じもしますが、当然ながら日進月歩で進化を続けています。きっかけは、たまたまTwitterで「AI天使」というアカウントを見たこと。「これがAI?」という衝撃でノックアウトされてしまいました。それで週末は月並みに呪文(プロンプト)と永遠に格闘していたというわけです。

それから、ちょうど先週、NotionがAIアシスタントを導入しました。これも衝撃でした。できることは「文章の改善」「要約」「翻訳」「続きを書く」「ブログ投稿」「SNSの投稿」など多岐に渡るのですが、最も恐ろしいのは、ものの1,2秒でレスポンスが返ってくること。どんな仕組みになっているのか分からないのですが、OpenAIが提供するGPT-3のAPIだとレスポンスが返ってくるまで1,2分も待たされる場合があるのに対して、この速度であれば、本当に生産性向上に繋がると確信できます。戻してくれる内容も的を得ているように感じました。

「日本のアドネットワークの提供社、特徴、対応デバイスを比較表付きで解説する」という文章に「続きを書く」と依頼した結果が以下のスクリーンショットです。ちょっと足りない部分がありそうですが、指示を改善すれば、もっと良いテキストが返ってきそうです。これを得るまで1,2秒です。超優秀なアシスタントが付いたようなもので、これを活かさない手はありません。

GPT-3を導入したメディアサービスも次々に登場しています。PR TIMESを少し検索しただけですが、先週だけでも以下のような発表がありました。

直接的に記事を制作するということに踏み込んだサービスもあれば、タイトル提案や書き起こしのように制作の補助的に活用するアプローチもあります。

投稿プラットフォームの「note」はNotionのように「切り口提案」「タイトル提案」「目次を作る」「文章のレビュー」「要約」といった機能を一部の会員向けに提供開始しています。同社CXOを務める深津貴之氏がChatGPTをレクチャーするセミナーは1000人以上の参加者があったようです。動画も公開されています、とても分かりやすい内容なので、ぜひチェックしてみてください。

AIを使って創作を支援するサービスは百花繚乱という感じです。象徴的なニュースとして先週ロイターは「アマゾンのKindleストアでAIが作った本が200冊以上販売されている」という記事を掲載しています。ロイターは、普通のセールスマンがChatGPTにプロットを書かせて、イラストもAIで生成した絵本を販売して100ドルを稼いだという話を伝えながら、一方で、数時間で生成されるコンテンツによってこれまでの著者が苦境に追い込まれる懸念も伝えています。

懸念は最もです。ただ、StableDiffusionで美人を描こうとした筆者の週末の経験でいくと、確かに制作を超ブーストする一方で、クリエイティビティは依然として大事だということです。筆者の例でいくと、AIに美人とは何かを言語化して伝える難しさがあります。グッとくる仕草はどんな言葉で表されるのか、どんなポーズが美しいのか、もうノーアイデアです。頭の中にあることと、それをアウトプットすることにはまだ距離があります。将来的には「いい感じに作っておいて」と言えば出来る世界になりそうな気もしますが、そこまではまだ時間があります。

そういう週末の経験で思ったのは、何かを言語化して伝えるというのは当に編集者の仕事であって、AIの時代にあっても「正しい問いを立てる」という能力はとても大事だということです。何でも簡単に実現できる世界になってきましたので、それでも何に取り組むのか、自分を突き動かすのは何か、そういう事がより大事になってきた感じがします。「なんで数ある職業の中からメディアという仕事を選んだのか」ということを考えないといけません。

「AIが仕事を奪うか」という議論があります。PCが色々な仕事を奪ったように、「一定はYES」だと思います。だからといって「人類が暇になったか?」というと、もっと忙しくなってしまったように、もっと人間がやるべき仕事は沢山あるのだと思います。メディアというビジネスがこれまでのように成り立つかは、分が悪い賭けかもしれませんが、メディアが実現すべきことと、それを支えるビジネスモデルを考えないといけないのはこれまでと変わりません。

とりあえず今言えるのは「AIは活用すべき」だということです。AIをゴーストライターに使うのか、それともアシスタントとして使うのは、そこは色々なスタンスがあろうと思いますが、AIを使わないのは、PCを使わないようなもので、大きな差が出てくると思います。それはメディアという仕事でも一緒なので、ぜひ一緒に考えていきましょう。

ということで本日20時よりオンラインセミナー「Media Innovation Seminar#4 メディアは対話型AIをどう活用する?~その現状と可能性について議論」を開催しますので、ぜひともご参加ください。ダラダラとしたポエムで最後は宣伝という感じで申し訳ございませんが、今週も頑張っていきましょう(AIのアシストを受けながら)。

今週の人気記事から 【2月27日(月)開催】Media Innovation Seminar#4 メディアは対話型AIをどう活用する?

本日となりますが、27日(月)20時より「Media Innovation Seminar#4 メディアは対話型AIをどう活用する?~その現状と可能性について議論」を開催します。今週のテーマ解説で触れたように、加速度的に進化するAIの活用は全ての人にとって喫緊の課題となっていますが、特にメディアに携わる人にとっては緊急性の高いテーマだといえます。ぜひともご参加宜しくお願いします。

1.【2月27日(月)開催】Media Innovation Seminar#4 メディアは対話型AIをどう活用する?~その現状と可能性について議論

2.U-NEXTとParaviが統合へ 国内最大の有料動画配信サービス誕生

3.博報堂と日本航空が地域のユニークな体験を提供するNFT「KOKYO NFT」の実証実験を開始、関係人口創出の可能性を検証

4.視聴者が釘付けになったCMクリエイティブランキング 1位は『Z空調「全館空調だな」篇』

5.カヤック、2022年の世界アプリDL数で日本企業1位 2年連続

6.ライブドア、超WORLDサッカー!を運営するCWS Brainsを子会社化

7.東京メトロ車内ビジョンで画像ダウンロードサービス 実施 放映中の番組内画像を個人用に

8.大広グループが中国越境EC向け買取・販売「Direct to China」提供

9.電通がデジタル販促の効果予測システム「SP COMPASS」提供 キャンペーン効果を算出

10.「Forbes JAPAN SMALL GIANTS」が埼玉県狭山市と連携協定を締結

会員限定記事から MBOで上場廃止、メタップスのこれまでとこれから

多くの期待を受けて2015年に上場したメタップスがMBOで上場廃止を選びました。上場時からの時価総額からは大幅に低い値段でのMBOとなります。期待の新星だったメタップスのこれまでを振り返りつつ、これからについて考えてみました。

1.【メディア企業徹底考察 #98】MBOで上場廃止、メタップスのこれまでとこれから

2.検索しない時代のメディアは? 広告は?【Media Innovation Weekly】2/20号

3.メタ、「Instagram」と「Facebook」に11.99ドルの月額課金制サービスを開始

4.【メディア企業徹底考察 #97】再編でSBIが支配力強化、金融情報のモーニングスターに迫る

5.「ニュースのためのスポティファイ」月額9ドルでメディアを横断して30記事が読める「Zette」

6.英国の大手出版社による共有広告プラットフォーム「Ozone」投資拡大・・・グーグル、メタに対抗

7.急成長の失速を懸念したTikTokのサービス拡充とEUのDSA対応・・・残るは米国の政治対応

8.好調のウォールマート、広告事業も27億ドルまで成長・・・下期は慎重な見通し

9.ニュースレターで年間2000万ドル以上、Substackの上位プレイヤーはどんな顔ぶれ?

10.バレンタインデーに別れのメッセージを自動生成して、AIと泣き笑い?・・・BuzzFeedの「Infinity Quizzes」がリリース

編集部からひとこと

今週で2月も終わりで、少しずつ暖かくなってきました。野球好きの筆者にとってはオープン戦が始まり、そしてWBCもあるということで、楽しみが増える季節になってきました。応援するスワローズは若手の活躍が目に付き、とても楽しみなシーズンになりそうです。AIに仕事を奪われても野球があれば暇はしないだろうという感じの私です。

《Manabu Tsuchimoto》

関連タグ

Manabu Tsuchimoto

Manabu Tsuchimoto

デジタルメディア大好きな「Media Innovation」の責任者。株式会社イード。1984年山口県生まれ。2000年に個人でゲームメディアを立ち上げ、その後売却。いまはイードでデジタルメディアの業務全般に携わっています。

特集