メディアが寄付モデルを実践するためのツールを無償公開・・・米非営利団体News Revenue Hub

2016年の創業の非営利団体News Revenue Hubは、ニュースルーム向けにカスタマイズされたセルフサービス型の貢献度管理プラットフォーム「News Revenue Engine」の提供を開始しました。

同団体はこれまで70以上のニュースルームと提携しており、ハンズオンコンサルティングと自社のカスタムテクノロジーへのアクセスを提供することで、ニュースルームが8000万ドル近くの調達を実現し、その支援してきました。今回、RevEngineによってニュースルームのパートナー数と業界のための資金調達額を飛躍的に増加させることが期待されています。

危機で見えた必要なもの

News Revenue Hubの創設者兼CEOであるマリー・ウォルター=ブラウン氏は、「長年にわたり、ハブの技術スタックを利用するニュースルームのパートナーが増えるにつれ、ニュースルームが投稿管理システムに求めているものについて多くのフィードバックを受け、これらのフィードバックがハブ独自の研究・ノウハウとなり、RevEngineの開発に生かされました。」

2020年、COVID-19の流行はRevEngineの開発を遅らせましたが、同時に貴重な視点を提供することになりました。「技術スタックを再構築する中で、どのニュースルームもコミュニティから寄付を募ることができる仕組みの必要があると考えました。特に、人々が寄付を最も大切にする危機的状況下においてです。」

無償で利用、ニュースへ貢献

そこで、マリクレア・ホール氏率いるプロダクトチームは、非営利・営利を問わず、すべてのニュースルームが利用できるRevEngineの無料版をリリースし、そこには、すぐに使える寄付ページのテンプレート、カスタマイズ可能なブランディングとアピール文、モバイル決済オプション、寄付者が支払いを管理するためのポータルサイト機能が搭載されていて、このソフトウェアに無料で自動的にサインアップし、支払いの収集を開始することができるのです。

RevEngineには様々な機能がありますが、無償というのはとても嬉しい部分です。共同設立者兼COOであるトリスタン・ローパー氏は、「本当に無料のサービスを普及させることができるのは素晴らしいことです」「私たちのコンサルティングと関わらず、ニュースルームが持続可能になるための製品なのです。」

2022年末のNewsMatch募金キャンペーンでは、114のニュースルームがRevEngineを利用して読者の寄付を集めました。そのうちの1つであるOpenCampusは、マッチングファンドを受け取るために必要な金額である30,600ドル以上をRevEngineで集めました。RevEngineの機能で評価された機能の一つは、寄付をする理由を共有するオプションがあったことだそうです。つまり、お金を渡す以上の意味、それは投資のようなもので、ニュースとのより大きなつながりをお互いが感じたということです。

商用サービスとの高度な連携が可能

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前田邦宏
前田邦宏
メディアイノベーション見習いスタッフ。海外調査の最新動向を担当。分野を問わず、調べ物が好き。

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