日本のIT業界がことごとく米国のビッグテックに蹂躙され、その結果、プラットフォーマーのお先棒を担ぐ仕事をコツコツやっているのを見ると、技術で負けているのではなく、技術に対するこだわり、あるいは技術が生み出すスケールの大きさやスピードに関する強いこだわりで負けている気がしてしまいます。大阪弁で言う“がめつさ(かじりついてでも奪ってみせる根性)”でしょうか。
そういう意味でスティーブ・ジョブスを崇めるのは間違っています。それよりも平凡なEC、それも最も古いメディアである本屋をいち早く立ち上げたものの、収益が上がるまでGAFAMの中で最も遅かったアマゾン、テクノロジーの優位性を活かした収益率の指数関数的な成長についても遅咲きだったAWSのジェフ・ベゾスに注目をすべきじゃないでしょうか。ジェフ・ベゾスの思惑は一見平凡であったものの、確実に世界最大の本屋に向かって、その努力は決済やサービス、配送と一分一秒でも早く処理をして全体の収益構造を最適化することでした。世界で最大収益を目指すECである事は見事に1995年から揺るいでいなかった点に注目すべきでしょう。日本も今から焦らず、10年20年先のGAFAMが狙えるのだと思います。(そこには他社を押しのける強引さを含め、いろいろな批判もつきものですが。。。)
最近そう思わせる米国の記事や発言を聞いたのは、CEOを退いたジェフ・ベゾスが買ったワシントンポストのCMSが注目を集めていて、あまりの完成度からこのまま外販を続けていたら新聞業界の出版編集システムを独占してしまって、またしてもAWSの上にあらゆるデータが管理され、中身まで監視されかねないとの懸念から、ベゾスはArc XPをオープンソースにするべきだと言う提言が新聞でされているほどです。