ニールセン デジタル株式会社は、インドネシアの広告出稿状況を「海外広告統計データ(Nielsen Ad Intel International)」のデータをもとに分析し、その結果を発表しました。
コロナ禍により、世界各国で広告費が低下する動きがあったように、インドネシア市場でも多くのカテゴリーで広告費が減少していました。しかし、回復傾向が見られており、広告費上位5つのカテゴリーのうち4つが2022年1-3月期の時点で回復。増加傾向にありました。

次に、日系ブランドの広告費をインドネシア市場全体やグローバルブランドと比べてみます。食品カテゴリーの広告費は、2020年1-3月期と比べると、インドネシア市場のFMCGカテゴリーの中でも増加傾向が見られます。
グローバルブランドの広告費は、インドネシアの食品カテゴリー全体と同様のトレンドで推移。しかし、日系ブランドは、コロナ禍以前の水準に届いていません。

広告費が食品カテゴリー全体で増加している中、日系企業の出稿費が減少していますが、これは日系ブランドがブランド認知などを獲得する機会を失っている可能性があることを意味しています。
予算が限られている場合、特に短期的な売上目標を達成するための施策に投資しがちです。しかし、ブランドの長期的な成長には、アッパーファネル施策も取り入れることが重要になります。調査によると、認知や検討意向が1ポイントリフトすることで売上が1%増加し、顧客獲得コストも1%減少します。
インドネシア市場の食品カテゴリーを見ると、日系ブランドのデジタルへの広告費は市場全体の3%です。従来の広告であるテレビ、ラジオ、雑誌、新聞などの広告も3%にとどまっています。同じカテゴリーのグローバルブランドは、デジタル広告が市場全体の1%、従来の広告では17%を占めていました。
