今年も早いところ1日を残すのみとなりました。筆者もようやく年末を感じるようになってきました。Media Innovationでは今年1154本(この記事の直前まで)の記事を掲載してきました。定番ではありますが、今年掲載した記事の中で、最もアクセスの多かった10本をピックアップして、今年のニュースを振り返っていければと思います。
目次
10.KADOKAWA、東京オリンピックを巡る収賄で角川歴彦会長も逮捕
今年世間を騒がせた東京オリンピックを巡る収賄事件。KADOKAWAはオフィシャルサポーター契約を締結して、公式プログラムなどを制作していましたが、スポンサー選定を巡ってオリンピック組織委員会の元理事に賄賂を渡したとして角川会長のほか、幹部2名が逮捕されました。KADOKAWAの今後の経営も左右する事件、今後どうなっていくのでしょうか?
9.【特集】Web3とは何か? インターネットの新たな革命は何をもたらすか
9位は今年1月の特集企画「Web3超入門」からの解説記事です。ブロックチェーンによってインターネットが変革されていく、Web3の世界について、メディアをどう変えるかという観点でご紹介しました。個人的にもブロックチェーンは2023年もホットトピックスになるのではないかと注目しています。
8.ドリームインキュベータ、ピークスをADDIXに売却・・・枻出版社から独立した出版社
趣味分野で様々な雑誌を発行していた枻出版社が倒産し、発行していた雑誌は幾つかに再編されましたが、大部分を引き継いだのが投資会社のドリームインキュベータがスポンサーとなったピークスでした。そこから僅か1年で再度の売却となり、DX支援を本業とするADDIXが買収。年末にはピークスという法人格もADDIXに合併となり、法人としても消滅することになりました。
7.【メディア企業徹底考察 #71】止まらない有名雑誌の休刊・廃刊、Web時代に雑誌が生き残る道はあるのか
2022年も複数の有名雑誌が休刊となってきました。20年で1兆円の市場規模が消滅した雑誌ですが、デジタルでの生き残りはできるのか考察しました。
6.メディアプラットフォーム「note」が上場承認、想定時価総額44億円
MIでも何度も取材してきた、「note」を運営するnote株式会社が年末に東証グロース市場に上場しました。著名なプラットフォームの上場であること、僅か半年前には数倍の時価総額で資金調達を行っていたにも関わらず、上場時44億円(30日時点では約60億円)という低いバリエーションとなったことが注目されました。赤字が続いていますが、売上成長を続ける事ができるでしょうか?
5. 封鎖されたロシアに情報を届ける、注目を集めるテレグラム
今年のニュースといえば何と言ってもロシアによるウクライナ侵攻ではなかったでしょうか。伝わってくる悲しいニュースに心を痛めた方も多いと思います。そのロシア国内では情報統制が敷かれ、テレビや新聞はもちろんのこと、ソーシャルメディアでも自由な情報流通はできない状態となっています。そんな中で注目されたのがテレグラムのような匿名性の高いプラットフォームでした。ロシアに情報を届ける努力について紹介しました。
4. 博報堂がソウルドアウトを買収、TOBで総額195億円・・・中小企業向けデジタルマーケティングに強み
博報堂DYホールディングスが中小企業のデジタルマーケティングを得意とするソウルドアウトを買収しました。元々はオプト(デジタルホールディングス)が大株主で東証一部に上場していましたが、博報堂によるTOBとなりました。博報堂はソウルドアウトのグループ化を通じて中小企業のDX支援にも広げていく狙いと思われます。
3. アマナ、ストックフォトの「アマナイメージズ」を約20億円で売却
こちらも再編のニュース。アマナがストックフォト事業を展開するアマナイメージズを新設のSPCに約20億円で売却しました。アマナは新型コロナウイルスの影響などで業績が落ち込み、経営再建を続けてきました。アマナイメージズは安定した事業ですが、売上は減少傾向にあり、売却に至ったようです。
2. 【メディア企業徹底考察 #45】クックパッドが上場以来初の営業赤字、いよいよ大規模なリストラが必要か?
盤石と思われたメディアであっても一寸先は闇、と感じさせるニュースです。クックパッドが上場以来初の営業赤字に転落しました。レシピ動画の競合が成長する中で、クックパッドは売上高の減少が続いています。財務体質は非常に健全であり、様々な手が打てる環境にある同社がどのようなリカバリー策を打っていくのか注目です。
1. ユーザベース、カーライルによるTOBで上場廃止へ・・・赤字のNewsPicksは再成長なるか
2022年に最も読まれた記事はユーザベースの上場廃止に関するニュースでした。経済メディアのNewsPicksと、ビジネスインテリジェンスのSPEEDAなどのSaaSを展開し、メディアで集客してSaaSでマネタイズするというモデルで成長してきた同社ですが、メディアは成長鈍化し、SaaSはJカーブを描く業態であることから、市場での評価が低く、成長投資に集中したいという考えでカーライルによるTOBを選びました。メディアはPIVOTだけでなく、サブスクモデルで成長する経済メディアが乱立という状況で、次の一手が非常に注目されます。
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結果、ズラリとメディアの再編の話ばかりでしたが、2022年を象徴するという感じもいたします。うさぎ年の2023年はピョンピョン跳ねられる躍進の年になる事を祈りたいと思います。