株式会社インプレスは27日、2023年度の電子書籍市場規模が前年比7.0%増の6449億円に拡大したとする調査結果を発表しました。
調査によると、2023年度の電子書籍市場は前年度の6026億円から426億円(7.0%)増加しました。市場の中心である電子コミックは5647億円で、全体の87.6%を占めています。一方、文字もの(文芸・実用書・写真集等)は593億円(9.2%)、雑誌は209億円(3.2%)となっています。
依然として市場成長が続いている一方、成長率は2年連続で1桁%となっています。これはコロナ禍の特需が消え、物価上昇による消費マインドの低下も拝見にあると見られます。今後の成長については、2028年度には8000億円の市場になると予測しています。
電子書籍の利用実態調査では、有料電子書籍の利用率は18.7%で、3年連続で減少しています。一方、無料電子書籍のみの利用率は28.8%で、前年から2.5ポイント増加しました。
利用者層では、20代・30代の利用率が高く、特に男性20代が25.9%で最も高くなっています。また、無料電子書籍のみの利用率は女性10代で47.2%と最も高くなっています。
注目すべき動向として、Webtoonの購入頻度が増加しています。有料電子書籍利用者のうち、「よく課金・購入する」が7.1%、「たまに課金・購入する」が21.0%と、いずれも前年より増加しています。
電子書籍サービスの利用状況では、「ピッコマ」が31.8%で最も高く、「LINEマンガ」が30.9%で続いています。両サービスの利用率は前年から増加しており、Webtoonの存在感が高まっていることがうかがえます。