インターネットテレビ局「ABEMA(アベマ)」とGumGum Japan株式会社は、国内OTT初となる「コンテクスチュアルオーバーレイ広告」の実証実験を共同で実施していることを明らかにしました。今回の実験は、ABEMAの人気恋愛リアリティーショー「花束とオオカミちゃんには騙されない」の配信を対象に行われ、期間は2024年11月18日から12月1日までとなります。
コンテクスチュアル広告とは、コンテンツの文脈に合わせて関連性の高い広告を表示する手法です。今回の実験では、見逃し配信および一挙放送を対象として、番組内の特定のシーンや場所に関連する広告を該当する映像の枠内に表示します。実験には、総合旅行サイト「エクスペディア」が広告主として参加。番組内の"旅行"と関連性の高いシーンにおいて、コンテクスチュアルオーバーレイ広告が登場します。

この新しい広告手法により、広告主は商品やメッセージと関連性の高い場面でブランドストーリーを伝えることができます。視聴者にとっても、視聴を中断されることなく、番組の文脈と共に自然にメッセージを受け取ることができるため、「良質な広告体験」として効果が期待されています。
今回の実証実験では、コンテクスチュアルオーバーレイ広告の視聴者に対するブランド意識変容やコマーシャルCM視聴との相乗効果などを検証する予定です。将来的には、関連性の高いシーンに対するプログラマティックな広告配信や、視聴者の属性、視聴環境などによって表示する広告を出し分けるといった技術の確立を視野に入れています。
ABEMAは、テレビのイノベーションを目指す「新しい未来のテレビ」として、24時間編成のニュース専門チャンネルをはじめ、オリジナルのドラマや恋愛番組、アニメ、スポーツなど、多彩なジャンルの計25チャンネルを24時間365日放送しています。一方、GumGumは、世界19カ国でコンテクスチュアル広告を展開している米国企業です。
両社は、実証実験を通じて新たな広告手法の可能性を模索し、広告商品としての実現に向けて検証を進めていく方針です。今回の取り組みの結果、視聴者にとってより自然で効果的な広告体験を生み出せることが判明した場合、広告主にとっても魅力的な新たな広告プラットフォームとして様々な番組に展開されていくものと予想されます。