LINEヤフーは、事業者向けビッグデータ分析サービス「ヤフー・データソリューション」のデスクリサーチツール「DS.INSIGHT」において、指定したユーザーセグメントの検索行動や人物像を可視化できる「セグメント連携機能」の試験導入を開始したと発表しました。
新機能では、「特定の店舗に来店した」「自社の広告をクリックした」「Yahoo!ショッピングで特定の購買を行った」など、特定の行動を起こしたユーザーセグメントを指定すると、そのセグメントの検索行動や人物像を可視化します。検索や位置情報に加え、LINEヤフーが保有する購買や広告接触などの行動データから、ユーザーセグメントの条件を指定できるのが特徴です。


「DS.INSIGHT」は、これまで特定の検索キーワードを起点とした分析や、特定エリアでの人口推移や属性情報などについての分析を主体として活用されてきました。今回の機能は購買・来店・広告接触などの人々の行動を起点とし、その前後の検索行動や人物像を分析できるものです。これにより、実際に特定の行動を起こしているユーザー群の分析が可能になり、従来以上に企業ごとの課題に合わせてターゲットの解像度向上や、潜在的なニーズの発見につなげることができます。

LINEヤフーは、本機能をスカパーJSATが先行利用した事例を公開しています。同社では、本機能を用いて野球関連の分析を実施。他社サービスの利用者は芸能ニュースなどの検索も多い一般的なファンで、スカパー利用者は「先発投手」「ローテーション」など徹底的に調べるコアなファンだと明確になったとのことです。アプリ開発の方向性に確信が得られたと報告しています。
さらに7月下旬には、「LINE公式アカウントを友だちに追加」や「LINE広告に接触」といった、LINEアプリに関する行動データを連携予定です。LINE関連データが「DS.INSIGHT」に連携されるのは今回が初めてです。これにより、「DS.INSIGHT」はYahoo! JAPANとLINE双方のビッグデータを統合的に分析できるようになります。
本機能は、指定したアクションの前後の検索行動がわかる「DS.INSIGHT Journey」と、ビッグデータからターゲットのユーザー像を作成する「DS.INSIGHT Persona」について試験導入されました。試験導入期間では、同機能を含むプランを契約しているユーザーであれば追加料金なしで利用できます。
新機能により、「DS.INSIGHT」では検索起点にとどまらず、購買や広告接触といった行動をもとに人物像や関心を分析できるようになりました。今後、LINEの行動データも加わることで、Yahoo! JAPANとLINE双方のプラットフォームを横断した生活者理解が可能になります。メディア業界においても、ターゲット解像度の向上や取材・企画支援など、様々な応用の可能性が考えられます。