一般社団法人ROOTs(生物多様性メディア機構)は、メディアにおける生きものコンテンツの実態と、自然・生物分野への関心形成におけるメディアの役割を調査した2本のレポートを公開しました。1本目の「テレビ番組における生きもの表現の現状」は5月22日の国際生物多様性の日に、2本目の「自然・生物分野の関心形成におけるメディアの役割」は6月5日の世界環境の日にあわせて公開されています。
1本目のレポートでは、2025年4月30日から7月30日の調査結果に基づき、日本のテレビにおいて年間推計約6,470件の生きもの番組が放送されていることが明らかになりました。生きものはテレビにおいて日常的に扱われるテーマである一方、登場する生きものには偏りがあることも指摘されています。

具体的には、犬猫をはじめパンダ、サル、クマ、ゾウ、ライオンなど哺乳類や特定の動物に注目が集まりやすい傾向が確認されました。繰り返し取り上げられる生きものは人々にとって身近な存在になりやすい一方、取り上げられにくい生きものは生物多様性の理解の中で見落とされる可能性があるとしています。

また、過去5年間の日本のテレビ番組における生きもの関連の指摘事例と要因も整理されています。国内外の放送局や業界団体の放送基準・制作ガイドラインを比較し、自然や生きものの視点を既存基準に組み込む重要性を提案しています。

2本目のレポートでは、研究者・実務者・学生など自然・生物分野に関わる人々を対象にアンケート調査を実施しました。その結果、幼少期から思春期にかけてメディアを関心形成のきっかけとして選択した割合が高いことがわかりました。
世代別に印象に残るコンテンツも異なり、20代では「ダーウィンが来た!」、30代では「どうぶつ奇想天外」、40代では「生きもの地球紀行」や「わくわく動物ランド」、50代・60代以上では「野生の王国」や「シートン動物記」への言及が見られました。若年層ではSNSやYouTubeの存在感が高まる一方、テレビや書籍、ドキュメンタリーも依然として重要な接点であり、関心形成は多層的な情報環境の中で起きていると分析しています。
ROOTsは2025年7月設立で、代表理事は安家叶子氏です。今後はメディアとエキゾチックペットに関するレポートの公開や、今回のレポートの英語版公開も予定しています。いずれのレポートもROOTs公式サイトから無料でダウンロードできます。









