博報堂DYホールディングスは、AIエージェント時代に対応する人間認証型アドネットワーク事業を手がける新会社「Ads for Humanity」を設立しました。同社は2026年4月15日に設立され、資本金は5,000万円、博報堂DYホールディングスの100%出資子会社です。代表者は森田英佑氏が務めます。
新会社は、サム・アルトマン氏、マックス・ノヴェンスターン氏、アレックス・ブラニア氏が共同発明した人間認証技術「World ID」を活用し、AIやボット・クローラーを排除して人間にだけ広告を配信する広告商品「Human-Verified Ad」の販売を開始しています。World IDは氏名やメールアドレスなどの個人情報を一切共有せずに、本物の人間であることをオンライン上で証明できる技術です。2026年4月時点でWorld Appは世界で3,900万人以上が利用し、うち1,800万人以上が認証済みWorld IDを保有しています。
設立の背景には、デジタル広告におけるアドフラウド被害の深刻化があります。国内では2024年に約1,510億円、グローバルでは約13兆円規模の被害が推計されています。AI技術の進化により、最新のAIエージェントは商品の比較検討から広告クリック、フォーム入力までを人間と区別がつかない形で自律操作するようになり、不正排除がますます困難になっています。
博報堂DYグループは2025年に、Tools for Humanity CorporationおよびLG Electronics Inc.と共同で「Human-Verified Ad Network」の実証実験を実施しました。食品、化粧品、家電、旅行、教育などの広告主10社、3,500人超のユーザーが参加し、従来型Web広告と比較してCTRは約10倍に向上、直帰率は約15ポイント改善する成果を確認しています。

Ads for Humanityが運営する「Human-Verified Ad Network」は、World IDの人間認証技術とLG Electronicsのブロックチェーン技術を基盤としています。広告配信対象を人間認証済みユーザーのみに限定するほか、すべての配信実績をブロックチェーンに記録し、改ざん不可能なエビデンスとして保存します。広告商品はHakuhodo DY ONEの次世代型マーケティングソリューション「WISE Ads」を通じて配信され、ディスプレイ広告、インフィード広告、動画広告に対応可能です。
今後はサービス事業者との連携による認証ユーザーの拡大と、媒体社との協業による配信面の拡充を進める方針です。



