電通グループは2026年12月期第2四半期(中間期)決算を発表しました。売上総利益は前年同期比3.7%増の5830億68百万円、調整後営業利益は同6.6%増の719億82百万円となり、オペレーティング・マージンは12.3%と30bps改善しました。営業利益は838億69百万円で、前年同期の365億45百万円の損失から黒字に転じています。詳細は決算短信で開示されています。
売上総利益のオーガニック成長率は0.3%にとどまり、Q2単体では0.2%の減少となりました。営業利益の黒字転換には、第1四半期に計上した電通銀座ビルの譲渡益が寄与しています。通期の連結業績予想については、収益1兆4915億円、調整後営業利益1663億円、オペレーティング・マージン13%台を据え置いています。
セグメント別の状況
日本セグメントはインターネット広告やDX、BX、スポーツ&エンターテインメント事業が伸長し、オーガニック成長率は5.0%となりました。CARTA HOLDINGSが2026年1月に持分法適用会社となった影響で売上総利益は前年同期比0.3%減となったものの、販管費抑制により調整後営業利益は上半期として過去最高の604億9百万円、オペレーティング・マージン25.6%を記録しています。

一方でAmericasは主要市場の米国がマイナス成長となり、オーガニック成長率は5.0%減。EMEAもドイツ、イタリア、スイスなどが低調で0.2%減となりました。両地域とも円安の為替効果で売上総利益は増加していますが、実質的な収益基盤の立て直しが課題として残っています。
経営基盤の再構築と投資の両立
同社は中期経営計画に基づき、経営基盤の再構築を継続しています。2026年度上期には約124億円を投入し、2027年までに計画する約3400人の人員削減のうち、およそ3000人(88%)を既に実行しました。2026年度通期でも260億円の投入と年間420億円のコスト削減効果を見込む計画は変更していません。

同時に、メディアサービスの高度化やAI・データ&テクノロジー領域を中心に上期で37億円の内部投資を実施し、2026年度に最大140億円を投資する計画も維持しています。事業ポートフォリオの見直しでは、スイスに本社を置くサプライチェーン追跡・認証ソリューション提供会社Dentsu Trackingを売却し、コア事業への資源集中を進めています。
AI戦略の進捗
dentsu Japanは2026年5月に戦略アップデート「AI For Growth 3.0」を発表し、マーケティング専門AIを軸にした企業のマーケティング活動へのAI実装を推進しています。中核サービスとしてSaaS形式で提供する「AI For Growth Suite」の提供も開始しました。

AIトランスフォーメーション支援の実績は2026年6月時点で約300件に拡大し、2026年度末までに1000件を目標に掲げています。業務特化型AIの活用や基幹システムへのAI実装により、2025年度は年間10.7万時間超の業務創出を実現し、2026年度は20万時間超を見込んでいます。
海外事業でもAI活用が進んでおり、Americasでは360iをAI-nativeブランドとして米国で再始動し、AIを中心とした新たなマーケティングモデルを展開しています。EMEAではdentsu UK&IがMetaと提携し、クリエイター選定から広告配信までを一気通貫で運用できるインフルエンサーマーケティング基盤を構築しました。

クライアント獲得と業界評価
上期にはAdobe、Netflix、Tata Group、SBIネオメディアホールディングスなど新規クライアントを獲得しました。カンヌライオンズ2026ではゴールド4個を含む計15個の賞を獲得し、メディアエージェンシーブランドのCaratは「Media Network of the Year」を受賞しています。






