CINCは9月11日、2026年10月期第3四半期決算を発表しました。
連結売上高は1,264百万円で前年同期比8.5%の減少となった一方、営業利益は33百万円と前年同期の営業損失85百万円から黒字転換しました。売上高は通期業績予想に対して75.2%の進捗にとどまっていますが、利益面では販管費の適正化が奏功した形です。詳細は決算説明資料および決算短信で確認できます。
同社はソリューション事業、アナリティクス事業、M&A仲介事業の3事業を展開しています。ソリューション事業は営業利益72百万円を確保したものの、前年同期比では41.7%の減少となりました。アナリティクス事業は営業損失15百万円と前年同期の損失39百万円から縮小しましたが、依然として赤字が続いています。M&A仲介事業は1件の成約により売上高28百万円を計上しましたが、セグメント損失は23百万円となりました。

生成AI時代の検索最適化にシフト
経営成績に関する説明では、生成AI技術の急速な進化と普及により、AI回答機能導入等による検索行動の変容への対応や、生成AIを活用した業務効率化・施策立案へのニーズがかつてないほど高まっているとの認識が示されています。
これを受けて主力ツール「Keywordmap」では、生成AI検索結果におけるブランドの言及状況や引用元の可視化、WebページのAIへの伝わりやすさの診断など、AI検索最適化(GEO/LLMO)に対応した機能拡充を進めました。加えて、主要な生成AIにおけるブランドの言及状況を継続的に可視化する新サービス「AIsearchmap」の提供を開始しています。

ただし、検索マーケティング市場がAI検索最適化への転換期にある中で、従来型SEO施策への投資判断には慎重さが見られたといいます。新機能・サービスの提供は進めたものの、当第3四半期における売上寄与は限定的で、顧客数減少に伴う減収を補うには至りませんでした。この結果、ソリューション事業の売上高は510百万円と前年同期比14.8%の減少となっています。
アナリティクス事業では、生成AIの普及に伴う検索行動の変化に対応した「AI検索最適化(GEO/LLMO)コンサルティング」や「SNSコンサルティング」領域の提供拡大に取り組みました。社内向けにも自社開発のAI検索最適化支援ツールの機能改善を進め、分析業務の効率化・標準化と提案内容の質的向上を図っています。
第2四半期以降は売上が回復傾向にあるものの、第1四半期の落ち込みや前年同期に発生したイベント関連の一過性売上がなかったことが影響し、通期では前年を下回る水準にとどまりました。新規採用人材の育成・戦力化にも時間を要しており、収益性は改善途上にあるとしています。

M&A仲介事業は収益性重視へ体制転換
M&A仲介事業については、前連結会計年度に売上計上に至らなかったことを踏まえ、事業体制の最適化とコスト構造の見直しを実施しました。具体的には新規採用の一時停止、広告宣伝費やシステム開発投資の精査、人員体制の適正化などを行い、収益性を重視した運営体制へ移行しています。
案件の質を高めるため取り扱い対象の選別を行うとともに、他の仲介会社とのマッチングにおける協業体制を構築し、成約確度の向上に取り組んだ結果、当第3四半期累計期間中に1件の成約に至りました。
全社的な利益改善の背景には、外注費や広告宣伝費を中心とした販管費の継続的な見直しがあります。人件費は前年同期比38百万円減、外注費は51百万円減、広告宣伝費は71百万円減となり、これらの合計で営業損益は前年同期から118百万円改善しました。通期の連結業績予想については、2025年10月期決算短信で公表した数値からの変更はないとしています。







