メディア各社の業績二極化と構造改革

AI・新規事業で伸びる企業と、主力事業の失速で改革を迫られる企業が分かれた

2026年夏から秋にかけて発表されたメディア関連企業の決算は、成長ドライバーを掴んだ企業と主力事業の失速に直面する企業とで、くっきり二極化しました。noteはAI関連事業を新セグメントとして立ち上げ、売上高33.2%増・営業利益567.0%増と大幅増益を記録 [1]。マクアケは四半期取扱高が過去最高の62億1,600万円、営業利益率は19.2%へ上昇し [2]、ほぼ日も「ほぼ日手帳2027」の卸受注が海外108.2%増と想定を超えて通期予想を上方修正しました [3]。

一方、主力の広告やコンテンツ課金に依存してきた企業は収益構造の作り替えを迫られています。メディア工房は占い事業の低調で営業損失533百万円に拡大し、不採算事業の整理と生成AIによる内製化を進めています [4]。アイモバイルは全社で過去最高益ながらインターネット広告事業は営業利益51.4%減で改革途上 [5]、CINCは減収のなか販管費適正化で黒字転換しAI検索最適化へ軸足を移しました [6]。

共通するのは、トップラインの成長よりも収益性と資源配分の見直しを優先する姿勢です。イトクロは13.1%減収下で投資効率の最適化により営業利益20.4%増 [7]、カラダノートは薄利事業譲渡を含む構造改革で2期ぶり黒字転換を果たしました [8]。好調企業でも原価増が利益率を圧迫する例があり [9]、増収と増益が直結しない局面に入っています。

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いま押さえておく論点

  • AIは実装段階に入り、noteはAI関連事業で250百万円を計上し新セグメント化した [1]
  • 減収でも増益という決算が相次ぎ、投資効率の最適化が共通の経営テーマになっている [7]
  • 広告事業の失速は単年の不振ではなく収益構造改革の対象に位置づけられている [5]
  • 生成AIは成長事業であると同時に、業務内製化によるコスト削減手段としても使われている [4]
  • 検索行動の変容でSEOツール各社はGEO/LLMO対応へ製品軸の転換を迫られている [6]

これから注目すべき点

  • AI関連事業が一過性のプロジェクト収益か継続的な柱になるか、通期決算での見極めが焦点です
  • 広告・占いなど失速事業を抱える企業が、改革の成果をいつ損益分岐に反映できるかが問われます
  • 増収でも原価や人件費の増加が利益率を削る構図が、他社にも広がるかに注目が集まります

この論点でまず読むべき5本

  1. 1note、3Q決算は売上高33.2%増 AI関連事業が拡大し大幅増益2026.10.06

    AI関連事業の新設が大幅増益を牽引、成長側の典型例を示す決算

  2. 2マクアケ四半期取扱高過去最高を更新、月次プロジェクト単価2割増【メディア企業徹底考察 #323】2026.09.22

    プラットフォーム健全化を経て取扱高・利益率とも成長軌道へ復帰

  3. 3ほぼ日、通期業績予想を上方修正 「ほぼ日手帳2027」の卸受注が国内外で想定超え2026.09.20

    主力商品の海外卸受注が想定超え、既存事業の伸長で上方修正

  4. 4メディア工房、2026年8月期は営業損失5.3億円 占い事業の構造改革で収益基盤再構築へ2026.10.10

    主力の占い事業失速で損失拡大、構造改革に踏み切る改革側の代表例

  5. 5アイモバイル、通期は増収増益で過去最高 ふるさと納税は安定成長期へ、アドネットワークは構造改革中2026.09.16

    全社最高益の裏で広告事業が5割減益、同一社内の二極化を映す

関連するトピックス

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業績メディア企業徹底考察noteアイモバイル

メディア工房、2026年8月期は営業損失5.3億円 占い事業の構造改革で収益基盤再構築へ 画像

メディア工房、2026年8月期は営業損失5.3億円 占い事業の構造改革で収益基盤再構築へ

・2026年8月期は売上高1,612百万円(前期比13.9%減)、営業損失533百万円と損失が拡大
・占い事業の低調な利用動向や先行投資、移転費用などが収益を圧迫し、特別損失225百万円を計上
・2027年8月期は売上高1,756百万円、営業損失208百万円を予想し、事業構造改革を継続

note、3Q決算は売上高33.2%増 AI関連事業が拡大し大幅増益 画像

note、3Q決算は売上高33.2%増 AI関連事業が拡大し大幅増益

・noteの2026年11月期3Qは売上高4,058百万円(前年同期比33.2%増)、営業利益849百万円(同567.0%増)
・AI関連事業はGENIACプロジェクトを中心に売上高250百万円を計上し、新設セグメントとして業績に貢献
・全社でClaudeを活用し生産性向上を推進、作品・商品単位で情報を集める「AIコンテクストネットワーク」を戦略の中核に据える

マクアケ四半期取扱高過去最高を更新、月次プロジェクト単価2割増【メディア企業徹底考察 #323】 画像

マクアケ四半期取扱高過去最高を更新、月次プロジェクト単価2割増【メディア企業徹底考察 #323】

・マクアケの2026年9月期3Q取扱高は62億1,600万円となり、四半期で過去最高を更新しました
・月次プロジェクト単価は188万円で前年同期間比22.2%増加し、大型プロジェクトが取扱高を押し上げています
・3Q累計の売上高は43億9,200万円、営業利益は8億4,400万円となり、営業利益率は19.2%へ上昇しました

ほぼ日、通期業績予想を上方修正 「ほぼ日手帳2027」の卸受注が国内外で想定超え 画像

ほぼ日、通期業績予想を上方修正 「ほぼ日手帳2027」の卸受注が国内外で想定超え

・ほぼ日が2026年8月期通期業績予想を上方修正、売上高は105億9700万円、営業利益は10億6600万円に
・「ほぼ日手帳2027」の卸受注が国内30.9%増、海外108.2%増と想定を大きく上回ったことが要因
・Hobonichi Inc.の特定子会社化に伴い連結決算へ移行し、決算期も8月から6月へ変更へ

カラダノート、2026年7月期は2期ぶり黒字転換 保険代理店グループ化で成長ステージへ 画像

カラダノート、2026年7月期は2期ぶり黒字転換 保険代理店グループ化で成長ステージへ

・2026年7月期は営業利益218百万円で2期ぶり黒字転換、純利益は過去最高の256百万円
・住友生命との協業を強化しつつ保険代理店カラダノートライフパートナーズを完全子会社化
・2027年7月期は売上高1,500百万円(前期比41.6%増)を計画、M&Aによる非連続成長も視野に

アイモバイル、通期は増収増益で過去最高 ふるさと納税は安定成長期へ、アドネットワークは構造改革中 画像

アイモバイル、通期は増収増益で過去最高 ふるさと納税は安定成長期へ、アドネットワークは構造改革中

・2026年7月期は売上高221億46百万円、営業利益41億77百万円でいずれも過去最高
・ふるさと納税市場は安定成長期へ移行、2025年度受入額1兆3,314億円・利用率18.5%で拡大余地
・アドネットワーク事業は営業利益51.4%減、太陽光51カ所稼働などグリーンエネルギー事業も拡大

ANYCOLOR、1Q売上16.6億円 コマース上振れも営業益は8.8%減 画像

ANYCOLOR、1Q売上16.6億円 コマース上振れも営業益は8.8%減

・ANYCOLORの2027年4月期1Qは売上高166億2000万円で前年比5.4%増
・営業利益は63億9000万円で前年比8.8%減、原価増加が利益率を圧迫
・コマース・イベント領域が見通しを上振れ、通期業績予想に変更なし

CINC、3Q営業利益33百万円で黒字転換 AI検索最適化に注力しコスト構造も見直し 画像

CINC、3Q営業利益33百万円で黒字転換 AI検索最適化に注力しコスト構造も見直し

・CINCの2026年10月期3Q連結売上高は1,264百万円で前年同期比8.5%減、営業利益は33百万円で前年同期の営業損失85百万円から黒字転換
・主力ツール「Keywordmap」でAI検索最適化(GEO/LLMO)対応機能を拡充し、新サービス「AIsearchmap」の提供を開始
・M&A仲介事業は収益性重視の体制へ転換し新規採用を一時停止、他仲介会社との協業体制も構築

イトクロ、投資効率の最適化で営業益2割増 学習塾ポータルは広告単価高騰が継続 画像

イトクロ、投資効率の最適化で営業益2割増 学習塾ポータルは広告単価高騰が継続

・イトクロの2026年10月期3Q累計売上高は前年同期比13.1%減の26億3300万円、営業利益は同20.4%増の4億7100万円
・広告宣伝費率などを抑制する投資効率の最適化でEBITDAマージンが改善傾向
・学習塾領域は広告単価高騰が継続、コドモブースターは新商品が期初計画超えで成長加速

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