コンデナスト、2019年末までに全誌でサブスクリプションモデルを導入へ

米国の大手出版社であるコンデナスト(CondeNast)は、2019年末までに全てのメディアで有料のサブスクリプション制を導入すると、ウォール・ストリート・ジャーナルが伝えました。

コンデナストは「Vogue」 「GQ」 「LAMOUR」「Pitchfork」「Golf Digest」「The New Yorker」「Vanity Fair」「WIRED」など有力ブランドを多数揃える出版社ですが、雑誌の落ち込みに伴い苦戦をし、2017年には120億ドルの赤字になったと伝えられています。

世界的なブランド「VOGUE」

同社では既に「The New Yorker」「Vanity Fair」「WIRED」の3誌でデジタルのサブスクリプションを導入していますが、これを全誌に広げる構想。3誌は月に4記事以上読む場合は登録が必要なペイウォールを敷いていますが、Adweekによればメディアによって異なる方式が導入される可能性がありそうです。

「WIRED」で購読を促すバナー

TheWrapに対してCEOのBob Sauerberg氏は「既に導入している3誌では、高品質なコンテンツに対して多くの読者が喜んで課金をしています。ペイウォールは私達の想定を超えるパフォーマンスを出しています」と述べています。

コンデナストの公式ツイッターも、WSJを引用しながら、「私達は自分たちのコンテンツの価値を信じています。今日、コンデナストは新しい進化に向けて重要な一歩を踏み出しました」と事実上、報道を認めています。

サブスクリプションは特に欧米のパブリッシャーの間では最も注目されるビジネスモデルとなっていて、「New York Times」での成功に続こうと多くのプレイヤーがチャレンジを続けています。ロイター研究所とオックスフォード大学のレポートでも最も注力する施策として挙げられていました。

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【12月6日更新】メディアのサブスクリプションを学ぶための記事まとめ

デジタルメディアの生き残りを賭けた戦略の中で世界的に注目を集めているサブスクリプション。月額の有料購読をしてもらい、会員IDを軸に読者との長期的な関係を構築。ウェブのコンテンツだけでなく、ポッドキャストやニュースレター、オンライン/オフラインのイベント事業などメディアの立体的なビジネスモデルをサブスクリプションを中核に組み立てていく流れもあります。

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Manabu Tsuchimoto
Manabu Tsuchimoto
デジタルメディア大好きな「Media Innovation」の責任者。株式会社イード。1984年山口県生まれ。

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