パブマティック(PubMatic)の強さを目論見書から読み解く、メディア向けプログラマティック広告の大手

米国のパブマティック(PubMatic)は12月9日にナスダック証券取引所に新規上場しました。1株あたり16~18ドルと事前予測されていたのが需要が旺盛なため20ドルでの新規公開となりましたが初日の取引で買いが集まり、執筆時点では30ドル付近で取引がされています。30ドルで…

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パブマティック(PubMatic)の強さを目論見書から読み解く、メディア向けプログラマティック広告の大手
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米国のパブマティック(PubMatic)は12月9日にナスダック証券取引所に新規上場しました。1株あたり16~18ドルと事前予測されていたのが需要が旺盛なため20ドルでの新規公開となりましたが初日の取引で買いが集まり、執筆時点では30ドル付近で取引がされています。30ドルで計算した場合の時価総額は17億7000万ドル(約1770億円)となります。また初日の売出で5310万ドル(約53億円)を調達しています。

国内でも事業を行っているパブマティックはどのような会社なのでしょうか? 上場に際する目論見書から読み解いていきます。

世界有数のSSP事業者

パブマティックは2006年の設立。「インターネットコンテンツクリエイターの無限の可能性を刺激する」というミッションを掲げ、データ主導での意思決定が広告の未来になるというビジョンの下、テクノロジー主導のプラットフォーム構築に投資を続けてきました。

同社が展開するのは所謂、セルサイドプラットフォーム(SSP)と呼ばれるプロダクトで、広告の面を提供するパブリッシャーサイドに立ち、広告収益を最大化する事を目的とします。SSPは広告主サイドのプラットフォームであるデマンドサイドプラットフォーム(DSP)との接続や、直接クライアントからの出稿を通じて、最適なユーザー、最適な面に、最適な広告が表示されるように動作します。同社のプラットフォームは2020年9月現在で、1日あたり1340億回の広告表示を処理しているとのこと。

ウェブサイトやモバイルアプリのパブリッシャーが、パブマティックに広告掲載面を提供し、パブマティックはDSPや広告主・広告代理店からの広告在庫を受け入れて、最適なマッチングを行っていきます。パブリッシャーはベライゾン・メディアやニューズ・コーポレーションなど世界の1100社と契約を結んでいて、5万5000以上のドメインと、8000以上のアプリに広告を提供しています。DSPはThe Trade DeskやGoogle DV 360など主要なプラットフォームと統合されています。

同社では独立系でメディアを保有していない純然たる広告プラットフォームである事が一つの強みだと説明しています。「私達はメディアを保有しておらず、特定のメディアに広告収益をもたらす必然性がありません。これによって多くのパブリッシャーやアプリ開発者と公平に連携できます」

巨大な成長市場


《Manabu Tsuchimoto》

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Manabu Tsuchimoto

Manabu Tsuchimoto

デジタルメディア大好きな「Media Innovation」の責任者。株式会社イード。1984年山口県生まれ。2000年に個人でゲームメディアを立ち上げ、その後売却。いまはイードでデジタルメディアの業務全般に携わっています。

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