メディアの経営力が問われる、Media Innovation土本・・・メディア業界2021年の展望(1)

新型コロナウイルスによって平時と全く異なる一年となった2020年。みなさんにとってはいかがだったでしょうか? そして2021年に向けてどのような事を取り組んでいくのでしょうか? 今年もMedia Innovationで大変お世話になった皆様に今年の振り返りと来年への展望をお聞き…

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新型コロナウイルスによって平時と全く異なる一年となった2020年。みなさんにとってはいかがだったでしょうか? そして2021年に向けてどのような事を取り組んでいくのでしょうか? 今年もMedia Innovationで大変お世話になった皆様に今年の振り返りと来年への展望をお聞きました。「メディア業界2021年の展望」全ての記事を読む。

今年も僭越ながら、Media Innovationを運営する株式会社イードの土本(執行役員 メディア事業本部長)からスタートさせていただきます。普段はイードの運営する主要なデジタルメディアと雑誌(パズル雑誌や今年加わった「アニメディア」)などの事業を統括しております。

土本 学 (つちもと まなぶ)
株式会社イード 執行役員 メディア事業本部長
1984年、山口県生まれ。学生時代に立ち上げたゲームメディア「インサイド」を、株式会社IRIコマース&テクノロジー(現イード)に譲渡し入社。ゲーム関連のメディア運営や、アニメなどエンタメ関連の事業を統括を経験した後、社長室でM&A、投資、アライアンス構築などを担当。2016年よりメディア事業の責任者となる。現在はイードのメディア運営全般を指揮する傍ら、2019年には「Media Innovation」を立ち上げ、メディア業界全体の発展のための活動を行っている。

2020年はメディア業界にとってどのような年だったでしょうか?

新型コロナウイルスの大流行は歴史に残る出来事であったように思います。社会のあらゆる場所に多大な影響を与えましたが、メディアやメディア企業にとってもゲームチェンジを促す出来事であったのではないでしょうか。

そして危機の中でこそ実力が炙り出されます。平時にはやり過ごせたものが、危機の中では許されず、不透明な中でも将来を予見し、迅速に対応を下していく事が求められるからです。企業や事業では経営力と言うのでしょうか。自治体でも当事者能力の有る無しが明確に見えた感じがしました。

メディアも事業の一つである事は間違いありません。危機の中で、従業員やステークホルダーの安全を守り、崩れ行く従来のビジネスモデルに対して打ち手を進める、そしてピンチをチャンスに変えていく、こうした事が出来る実力が有るのか無いのか、これが2020年には明確になり、2021年以降の違いになって見えてくるのではないかと思います。

これからのメディアに求められること、直面する課題はどういったことでしょうか?

去年と同じ事を言いますが、メディアはブランドを確立する事が引き続き重要ではないかと思います。社内では比喩的に「100万人に読まれるよりも、1人の人生を突き動かす」ことを目指そう、と言っていますが、どんなムーブメントも少人数の熱狂者から生まれるものです。まずは少ない人数でもいいので、導火線に火を付ける、その為には差別化された体験が必要です。それをどこで、どのようにして生み出すか、これが求められていると思います。

同時に、少人数を熱狂させるというコンセプトは、マスターゲットからは若干遠いものなってしまいます。ですから、単純に広告で収益化するということではなく、コマース(D2C)やサブスクリプション(課金)などのB2Cのビジネスを含めて立体化させていく必要があるでしょう。これまでのメディアの収益の大半はB2Bでしたので、B2Cのビジネスに移行するということは全く異なるマーケティングが求められるわけで、これは大きなチャレンジになるでしょう。

しかし、B2BとB2Cの両方のビジネスを積み上げる事ができれば、今まで広告では十分な収益が得られず、それによってメディアが存在できなかったよりバーティカルな領域にもメディアやコンテンツを届ける事ができると思いますので、個人的にも取り組んでいきたいと思っています。

2021年に取り組みたいと考えていることはどういったことでしょうか?

上の質問で、メディア事業者として取り組みたい事を書いてしまいましたので、ここではMedia Innovationの運営者として書かせていただきます。

Media Innovationとしては、やはり今年の3月から始めたサブスクリプションの取り組みを進化させていきたいと考えています。先日には会員数が4000名を突破しました(無料会員を含む)。有料会員も法人会員を含めて、ジワジワと伸びてきています。まだ記事に依存した伸ばし方になっていますが、2021年は記事以外のコンテンツも多面的に提供できるようになれればと考えています。また、引き続きサブスクリプションへの取り組みは随時報告しながら、皆様のご参考になる知見を共有できればと思っています(こんな記事も作りました)。

広告やイベントへのスポンサーなどクライアントの皆様にも大変お世話になりました。メディアに特化した日本唯一の業界誌としてリーチも広がってきましたので、ぜひ宜しくお願いします(宣伝)。

2021年も皆様に有益な情報とコミュニティをご提供できればと思っていますので、ぜひ引き続き宜しくお願いします。

23日には今年を振り返るイベントを開催

Media Innovationが毎月開催しているオンラインセミナー「Media Innovation Meetup」ですが、12月はメディア業界の今年を振り返り、2021年の展望を語るイベント+オンライン飲み会として、12月23日(水)に開催いたします。

今年のメディア業界を賑わせたテーマとして「広告」「音声」「サブスクリプション」を特に取り上げ、アドテクスタートアップとして急成長する株式会社FLUXの平田慎乃輔CPO(チーフ・プロダクト・オフィサー)、音声広告事業に取り組む株式会社オトナルの八木太亮社長、ニュースレタープラットフォーム「theLetter」を運営する株式会社OutNowの濱本至社長に登場いただきます。

MIの運営メンバーからは株式会社コンテンツジャパンの堀鉄彦社長、株式会社メディアインキュベートの浜崎正己社長、株式会社イードの土本も参加します。去年のように海老会とはいかないのですが、悲しみを堪えつつ、激動の2020年を振り返る会にしたいと思います。ぜひともご参加宜しくお願いします。こちらから参加申し込み(無料)

■開催概要
名称: Media Innovation Meetup #22 2020年の振り返りと来年に向けての展望
開催: Zoomを使ったオンライン開催となります
料金: 無料(事前登録が必要です)

■スケジュール
19:00 開演
19:00~19:30 広告の部 ゲスト: 株式会社FLUX 平田慎乃輔CPO
19:30~20:00 音声の部 ゲスト: 株式会社オトナル 八木太亮社長
20:00~20:30 ニュースレターの部 ゲスト: 株式会社OutNow 濱本至社長
20:30~21:30 オンライン飲み会の部(※)~今年の振り返りと来年への展望
※ぜひ来場者の皆様もご参加ください

《Manabu Tsuchimoto》

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Manabu Tsuchimoto

デジタルメディア大好きな「Media Innovation」の責任者。株式会社イード。1984年山口県生まれ。2000年に個人でゲームメディアを立ち上げ、その後売却。いまはイードでデジタルメディアの業務全般に携わっています。

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