【メディア企業徹底考察 #14】利益率が大幅減、グノシーは”負のループ”から抜け出せるか?

ニュースアプリを提供する株式会社Gunocy(以下、グノシー)の2021年5月期の売上高は前期比36.3%減の89億1,000万円となり、大苦戦を強いられています。営業利益は16.6%減の7億1,700万円。純利益は0.8%減の3億8,300万円となりました。実はグノシーの業績はコロナ前から頭…

企業 その他
【メディア企業徹底考察 #14】利益率が大幅減、グノシーは”負のループ”から抜け出せるか?
  • 【メディア企業徹底考察 #14】利益率が大幅減、グノシーは”負のループ”から抜け出せるか?
  • 【メディア企業徹底考察 #14】利益率が大幅減、グノシーは”負のループ”から抜け出せるか?
  • 【メディア企業徹底考察 #14】利益率が大幅減、グノシーは”負のループ”から抜け出せるか?
  • 【メディア企業徹底考察 #14】利益率が大幅減、グノシーは”負のループ”から抜け出せるか?
  • 【メディア企業徹底考察 #14】利益率が大幅減、グノシーは”負のループ”から抜け出せるか?
  • 【メディア企業徹底考察 #14】利益率が大幅減、グノシーは”負のループ”から抜け出せるか?
  • 【メディア企業徹底考察 #14】利益率が大幅減、グノシーは”負のループ”から抜け出せるか?
  • 【メディア企業徹底考察 #14】利益率が大幅減、グノシーは”負のループ”から抜け出せるか?

ニュースアプリを提供する株式会社Gunocy(以下、グノシー)の2021年5月期の売上高は前期比36.3%減の89億1,000万円となり、大苦戦を強いられています。営業利益は16.6%減の7億1,700万円。純利益は0.8%減の3億8,300万円となりました。実はグノシーの業績はコロナ前から頭打ちが鮮明になっていました。この記事は、グノシーの業績をもとにその原因をあぶり出すものです。

まずは、グノシーの業績推移から見てみましょう。

■グノシー業績推移(単位:百万円)

決算短信より筆者作成

グノシーの営業利益は2020年5月期の段階で前期比62.7%も減少していました。2021年5月期はそこから更に16.5%もの減少を強いられています。一見すると、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けたように思えます。しかし、グノシーの営業利益率はコロナよりずっと前の2017年5月期から下がっていたのです。営業利益率20%という驚異的な生産性を誇っていたビジネスモデルは少しずつ崩れ、2020年5月期には6%まで下がっていました。その悪い側面が、コロナで一気に表出したのです。

グノシーは自前のニュースアプリの他、KDDIと共同で運用する「ニュースパス」、「ルクラ」、そして2015年12月に完全子会社化したゲームメディア「ゲームエイト」の4つを柱にしています。2021年4月には天気や占い、ニュース、ショッピングなどが1つのアプリで完結する「auサービスToday」をリリースしました。近年はKDDIとの協業を加速しています。

KDDIとのレベニューシェアが利益を圧迫

コロナの影響を受ける前のグノシーが、どのような収益構造をしていたか見てみましょう。

グノシーの収入源は主に2つあります。グノシー独自の広告配信システムであるGunosy Adsと、他社の広告配信ネットワークを自社メディアに活用するアドネットワーク(ADNW)です。利益率の高いGunosy Adsによる収入は停滞しています。2017年5月期は売上高全体の66.8%を稼いでいましたが、2019年5月期の時点で52.1%まで下がりました。一方、アドネットワークは2017年5月期の29.8%から2019年5月期の35.0%まで膨らみました。収入額にすると、23億700万円から52億6,000万円と2.3倍にまで膨張しています。


《不破聡》

関連タグ

特集