【メディア企業徹底考察 #68】ビーコンのunerryは小売・外食の救世主となるか

ビーコンを活用して消費者の購買行動を可視化する、リアル行動データプラットフォーム「Beacon Bank」を運営する株式会社unerryが2022年6月24日に上場承認を受け、7月28日に上場しました。 インターネット空間で消費者の行動を補足するツールを提供する企業は多いものの…

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ビーコンを活用して消費者の購買行動を可視化する、リアル行動データプラットフォーム「Beacon Bank」を運営する株式会社unerryが2022年6月24日に上場承認を受け、7月28日に上場しました。

インターネット空間で消費者の行動を補足するツールを提供する企業は多いものの、実店舗での行動をとらえるサービスは稀。小売店や飲食店は、Webやチラシ、クーポンなどの販促活動が来店にどれほどの効果を与えているのか明確に把握することができませんでした。

unerryの事業は実店舗のオーナーが抱える課題を解決し、会社を大きく成長させる潜在性を持っています。

三菱食品との業務提携で飲食店への導入が加速

unerryは2015年8月設立の若い会社です。設立当初からビーコンを活用したIoTプラットフォームの構築に注力しており、2015年12月には「Beacon Bank」をリリースしています。2016年12月にコカ・コーラボトラーズジャパン株式会社と業務提携契約を締結。自動販売機で飲み物を買うとアプリ上にポイントが貯まり、ポイント数に応じて特典が得られるサービスを開始しました。

2019年12月にはコカ・コーラボトラーズジャパン、株式会社askenと共同で、健康自販機サービスの提供を開始しています。これは食生活改善アプリ「あすけん」と、unerryの「Beacon Bank」が自動販売機上で連携され、ドリンクを購入するとドリンクチケットがプレゼントされたり、健康に関する情報が配信されるというもの。ビーコンはアプリやWebと、リアルとをつなぐ役割をしていることがわかります。

2021年4月には三菱商事株式会社と都市開発(スマートシティ)分野での連携を高めることを目的として、資本業務提携契約を締結しています。2022年7月に三菱食品株式会社と業務提携契約を締結。飲食店への導入を進める礎を築きました。

■ 「Beacon Bank」 の活用イメージ

業績面では赤字が続いていましたが、2022年6月期第3四半期において1億2,000万円の経常利益を出しました。上場後に発表される2022年6月期通期は黒字化している可能性が高いです。

※経常利益の目盛りは右軸

飲食店や小売店を中心に導入が進むサービスですが、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けた痕跡が見受けられません。2020年6月期の売上高は前期比84.2%増、2021年6月期は35.6%増と力強く成長しています。


《不破聡》

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