サブスクベースのデジタルシフトへ・・・ダイヤモンド誌の成功から【ダイヤモンド・プレミアム3周年イベント】

ダイヤモンド編集部は6月28日、デジタル限定のサブスクリプション、ダイヤモンド・プレミアムのサービス開始3周年を記念して、「伝統メディアのサブスク革命」と題したオンラインイベントを開催しました。 基調講演の後、ダイヤモンド編集部編集長の山口圭介氏が「ダイヤモンド・オンラインの改革と戦略」と題して話しました。

山口氏は、ダイヤモンド誌の概要に触れた上で、その好調の理由として長い歴史で培われた編集部のDNAを2つ挙げています。その一つは、創刊から貫かれる「算盤主義」、現在でいうところのデータジャーナリズムです。特に、数か月かけて取り組まれるランキング企画などは、他誌と差別化できる唯一無二のコンテンツであると氏はいいます。次に、企業や官庁と緊張関係を保ち、出入り禁止や訴訟のリスクを負っても書くべきことを書く、「忖度なし」のジャーナリズムです。時に自社批判もいとわず、書くべきことを書くという姿勢が、同誌に優秀な記者が集まる要因であるとのことです。

一方で、雑誌ビジネスを取り巻く状況は厳しさを増しています。2017年に同誌編集部の行ったシミュレーションでは、悲観的シナリオの場合、2027年には週刊誌市場そのものが消滅してしまうとの予測が出たそうです。そのため、同誌編集部では2019年に紙雑誌である「週刊ダイヤモンド編集部」と「ダイヤモンド・オンライン編集部」を統合し、「ダイヤモンド編集部」に再編しました。また、同年にデジタルのサブスクリプションとして「ダイヤモンド・プレミアム」を立ち上げ、3年の期間を経て、ビジネス週刊誌としては29年連続で日本一を維持している週刊ダイヤモンドの市販部数を上回る有料会員を獲得しています。

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【12月6日更新】メディアのサブスクリプションを学ぶための記事まとめ

デジタルメディアの生き残りを賭けた戦略の中で世界的に注目を集めているサブスクリプション。月額の有料購読をしてもらい、会員IDを軸に読者との長期的な関係を構築。ウェブのコンテンツだけでなく、ポッドキャストやニュースレター、オンライン/オフラインのイベント事業などメディアの立体的なビジネスモデルをサブスクリプションを中核に組み立てていく流れもあります。

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Taketo Yoshida
Taketo Yoshida
Media Innovation編集部 ジャーナリズムとニュースメディアのマネタイズに興味あり。

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