ドットダッシュ・メレディスの統合から一年、想定外の広告市場の悪化とシステム統合の難しさを示す

多数のメディアやインターネット企業を所有する米IACは第2四半期(1-9月)の業績を発表しました。本記事では同社の主要事業であるメディア企業のドットダッシュ・メレディスの業績についてお伝えします。

ドットダッシュ・メレディスは、2021年12月にIACがメレディスの出版部門を買収し、傘下にあったドットダッシュと合併させて誕生したメディア企業です。メレディスは「People」「Better Homes and Gardens」「Entertainment Weekly」などの雑誌を発行する米国でも有数の出版社。ドットダッシュは以前はアバウトドットコムという名称で知られ、インテント(目的志向)メディアの大手です。

書店に並ぶメレディスが発行する雑誌 (Photo by Drew Angerer/Getty Images)

合併があったことに伴い、ドットダッシュ・メレディスの売上高は4億6700万ドル(前年同期6520万ドル)と3倍以上の成長となりました。合併効果があるとはいえ、その効果を除くと、デジタルは13%、印刷は24%の売上減少があったということで、楽な状況ではなさそうです。

さらに営業損失は9550万ドル(710万ドルの黒字)と大きく悪化しています。ただし、調整後EBITDAは3100万ドルの黒字であり、この差分はリストラ費用や買収関連費用など一時的なものだとしています。

セグメント別ではデジタルが売上高2億2070万ドルで営業損失が1億0440万ドル、印刷が売上高2億5150万ドルで営業利益が2730万ドルでした(その他が1840万ドルの赤字)。前年同期は黒字でしたので、買収したメレディスのデジタル部門で費用が嵩んだ事が伺えます。

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Manabu Tsuchimoto
Manabu Tsuchimoto
デジタルメディア大好きな「Media Innovation」の責任者。株式会社イード。1984年山口県生まれ。

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