WPPのメディアエージェンシーであるグループエムは、SeenThisのアダプティブストリーミング技術を自社のカーボンカリキュレーターに完全統合したことを発表しました。この提携により、グループエムはディスプレイ広告キャンペーンのパフォーマンスを向上させながら、CO2排出量を管理・低減させることに成功したと明らかにしました。
SeenThisの技術は、目に見えるクリエイティブ・アセットにのみデータを転送するため、データの無駄を省き、ユーザーの注目度を高め、目標達成に必要なインプレッション数を減らすことができます。インターネット・サプライ・チェーンの各部分がエネルギーを消費するため、このインプレッション数の減少がCO2排出量の削減にもつながります。
過去1年間で、この取り組みは1,500万台以上のスマートフォンの充電に相当する230トン以上のCO2排出量削減に貢献しました。28市場にわたる約260の広告主がこの技術の恩恵を受け、デジタル広告のパフォーマンスを向上させたということです。
アジアの主要銀行UOBの最近のキャンペーンでは、SeenThisの技術を使用し、データ消費量を25%削減し、ビュースルー率を245%向上させました。これは、高精度なターゲティングとパフォーマンスの最適化の効果を示しています。
グループエムのグローバルパートナーシップ責任者キーリー・テイラーは、「この提携の成功は、メディアのサプライチェーンを脱炭素化するという私たちのコミットメントにおいて重要な第一歩であり、より多くの広告主がSeenThisを利用することで、排出量とパフォーマンスの両面でポジティブな結果を得ることができるのです」と述べています。
SeenThisのグローバルエージェンシーディレクターであるトーマス・ボウエンズ氏は、「私たちの提携は、ベンダーが即座にすぐに使えるソリューションを提供することで、グループエムがユーザーエクスペリエンスを向上させながらCO2e削減を実現できるようにした最初の一例です」と語っています。
業界からの関心の高まりと、業界共通の測定フレームワーク構築への要望が背景にあり、今後の焦点は、成功したトライアルやテストをキャンペーンの常時稼働なコンポーネントに転換することになります。この技術によりCO2排出削減とビジネス成果の向上を両立させることが可能であることから、広告業界全体での採用拡大が期待されています。