ホットリンクは、SNSマーケティング支援サービスをはじめとする業務にAIを導入した成果を発表しました。X(旧Twitter)広告運用システムを採用したことで、X広告運用に関する社内コミュニケーションコストと出稿作業時間をそれぞれ約4割削減する効率化が実現しています。
今回の取り組みは、ホットリンクが推進する全社的なAI活用戦略の一環です。同社は、生成AIの進化が企業活動やサービス構造そのものを変えるという前提のもと、AI導入を5つのフェーズで整理。AI活用を段階的に進めており、今回の取り組みは「業務にAIを組み込む」のフェーズ01にあたります。

同社のX広告運用では、配信に伴う入稿管理、広告グループ設定、クリエイティブ差し替えなどの作業が煩雑化し、事業拡大のボトルネックとなっていました。この課題解決のため、生成AIを活用した開発により、システムを短期間でリリース。新卒エンジニアが中心となり、わずか2ヵ月の開発期間とその後2ヵ月の試用期間を経て完成しました。
本システムを業務に使用しているのは、クライアント窓口や効果分析などのフロント業務を行うメンバーと、広告の入稿作業、設定変更、日次運用などのオペレーション実務を行うメンバーです。
導入効果は、社員へのアンケート調査および作業時間の記録をもとにを検証。社内コミュニケーションコストを44%削減し、出稿作業時間も39%削減したという成果が明らかになりました。

フロント担当者からは、「フロントとオペレーター間のコミュニケーションコストを削減できています。戦略立案など、他のコア業務により多くの時間を割くことができそうです」、オペレーション担当者からは「リマインド機能により、作業漏れの防止や余裕を持ったスケジュールでの進行が可能になると、期待しています」といった声が上がっています。
システムの主な機能として、複数クライアントアカウントの統合管理と運用状況の可視化による横断的な出稿ステータスの把握を実現する「一元管理機能」、広告グループとクリエイティブの紐付け・解除作業の完全自動化により作業工数を削減する「自動入稿機能」、入稿当日の自動リマインド通知により作業漏れを防止する「インテリジェント通知」を搭載しています。
今後、同社は本システムのさらなる進化を目指し、X社が提供する最新の自動化機能との連携によるシステムの拡張性向上や、ユーザーインターフェースの改善によるさらなる作業効率化を図る予定です。
ホットリンクは、AI導入フェーズ01「業務にAIを組み込む」をおおむね達成したことから、今後は業務フロー上に最適化されたAIエージェントを設計・導入するフェーズ02への移行を見据えているといいます。
X広告運用における作業をシステム化した今回の取り組みは、単なる業務効率化ではなくマーケティング実務の再構築ともいえる試みであり、次なるフェーズでの成果も注目されます。