NHKは2025年9月1日、メディア・リテラシー教育で活用できる体験型WEB教材「メリ探(めりたん)」を公開しました。情報を調べて伝える「探究学習」をテーマにした教材で、学校や地域でのメディア・リテラシー育成に誰でも活用できるのが特徴です。
「メリ探」は「メディア・リテラシー×探究学習」を意味する教材名で、小学5年生以上から中学生・高校生・大学生まで幅広く利用できます。この教材では、普段の学習や生活の中で情報を調べたり伝えたりする場面を想定し、「メディア・リテラシーが問われる状況」をシミュレーション形式で体験することができます。
2つの利用形態で柔軟に活用可能
教材の利用方法には、スクリーンに投影する「授業形式での提示用教材」と、PC・タブレット端末などでアクセスする「自習用教材」の2つがあります。授業形式で利用する場合は、教師などが進行役となり、話し合いや発表などを交えて進めることができます。自習用教材として利用する場合は、学習者が自分の端末で学ぶことが可能です。
5つのテーマで実践的なスキルを習得
教材内容は、「インターネットなどで調べた情報をもとに、発表用のスライドを作る」というストーリーに沿って学習を進める形式です。扱うテーマは以下の5つです。
1. 情報源の確認
2. AI画像
3. 画像のアップとルーズ
4. 情報の取捨選択
5. 偽・誤情報の動画
これらの課題をクリアすることで、ネットでの情報収集などを前提としたメディア・リテラシースキルが身に着きます。
教育現場での活用を想定した設計
教材は、シミュレーション形式を採用しており、学習者が実際の情報収集・発信場面を疑似体験できるよう工夫されています。また、教師向けの進行役用ガイドも用意されており、授業での活用がしやすい設計になっています。
利用には、PC・タブレット端末などとインターネット環境が必要です。授業形式で利用する場合は、モニターやプロジェクターなども必要となります。
専門家の監修で信頼性を確保
本教材は、日本大学文理学部教育学科の中橋猛教授が監修しており、教育的観点からの信頼性が確保されています。
教材は教育活動目的であれば誰でも利用可能ですが、営利目的など教育活動以外の目的での利用は禁止されています。利用にあたっては、教材ページの利用規約を確認する必要があります。
教材はNHK公式ホームページの「経営に関する情報」→「広報/視聴者のみなさまへ」→「メディア・リテラシー」のページから、または直接「メリ探」の教材URLからアクセスできます。
NHKは今年、ラジオ放送開始から100年を迎え、多様なコンテンツの提供を進めています。本教材の公開もその一環として、デジタル時代に必要なメディア・リテラシーの育成に貢献するものと位置づけられています。