株式会社クラシコムが運営する「北欧、暮らしの道具店」のスマートフォンアプリが500万ダウンロードを突破したことが明らかになりました。同社は2025年9月9日に発表した資料で、SNSとの相互効果により成長が加速し、アプリ経由の売上が全体に占める割合が大幅に向上していることを報告しています。
同アプリは、北欧をテーマとしたライフスタイル商品を扱うECプラットフォームとして展開されており、ユーザーの利便性向上とエンゲージメント強化を図ってきました。特にSNSとの連携により、ユーザーの購買行動に好影響を与えていることが成長の要因として挙げられています。
クラシコムは「北欧、暮らしの道具店」を中心とした事業展開において、様々な取り組みを実施しています。2025年9月19日には代官山蔦屋書店にて関東初となる「CRAFT STORE」をオープンし、リアル店舗での展開も強化しています。また、創立120年を超える国内老舗ブランド「Noritake」とのコラボレーションや、段ボール等パッケージのリニューアルなど、ブランド価値向上に向けた施策を継続的に実施しています。
デジタル戦略においては、YouTubeチャンネルの登録者数が100万人を突破するなど、マルチチャネルでの顧客接点拡大に成功しています。2025年4月25日の発表では、YouTube登録者数100万人突破により、動画コンテンツを通じた商品紹介やライフスタイル提案の効果が高まっていることが報告されました。
同社の事業領域拡大も注目されます。株式会社ソニックガーデンとの資本業務提携を2025年9月3日に締結し、技術面での協力体制を構築しています。また、「クラシ手帳」の累計発行部数が100万部を突破するなど、EC事業以外の分野でも成果を上げています。
新オフィスの開設についても積極的な取り組みを見せており、2025年4月17日には新撮影スタジオを開設し、顧客層の拡大に応えて「ひとり暮らし」をイメージした空間を構築しました。これにより、商品撮影の質向上と、より幅広い顧客層へのアプローチが可能になっています。
コラボレーション戦略では、アーバンリサーチとの初のコラボレーションによる「かぐれ」テーラードジャケットの発売や、味の素株式会社との協働マーケティング「暮らしの素プロジェクト」から「きょうは主役のだし粉」を新発売するなど、異業種との連携を積極的に推進しています。
今回のアプリ500万ダウンロード突破は、同社のデジタル戦略とブランド戦略の成果を示す重要な指標となっています。SNSとの相互効果による成長加速は、現代のEC事業における成功モデルの一つとして注目されており、今後の更なる成長が期待されます。