AI×サブスクは今後のメディアビジネスの鍵・・・テモナ取締役CTO、テモラボ社長 中野氏

Media Innovationの1月特集は「AIでメディアはどう変わるか」。AIが普及し、誰でも利用できるようになったことによって、メディア作りはどのような変化をしていくのか。メディアにおけるAI活用で先頭を走るリーダーの皆様を直撃しました。1月29日にはイベントも開催、ぜ…

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AI×サブスクは今後のメディアビジネスの鍵・・・テモナ取締役CTO、テモラボ社長 中野氏
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Media Innovationの1月特集は「AIでメディアはどう変わるか」。AIが普及し、誰でも利用できるようになったことによって、メディア作りはどのような変化をしていくのか。メディアにおけるAI活用で先頭を走るリーダーの皆様を直撃しました。1月29日にはイベントも開催、ぜひご参加ください。

テモナ株式会社は2008年に設立され、サブスクリプション支援企業として、SaaSサービス「たまごリピート」をのべ1400社以上に提供し、年間の流通総額は1200億円を超えるという実績を持ちます。

そんなテモナが昨年10月に設立した戦略子会社がテモラボ株式会社です。同社では「サブスクリプション✕AIテクノロジー」をテーマに、テモナの取締役CTOの中野賀通氏が代表を務めます。メディアでも注目されるサブスクリプションがAIによってどのように変わるのか、中野氏に聞きました。

───これまでのキャリアを振り返ってご説明いただけないでしょうか。

実は最初の仕事は学校の先生だったんです。その後、エイジアというダイレクトマーケティング支援の会社に入り、そこで新規事業を担当し、当時珍しかったクラウドサービスを立ちあげたり、コンサルティング事業を始めたりしました。その後しばらくスタートアップ支援の仕事をやっていて、そのなかでお客さんだったテモナから誘われて参画しました。テモナの仕事を手伝い始めてからは6年ぐらいですね。

───2019年はいろいろな意味でサブスクが注目された年でした。

サブスクというのはビジネスの根幹を支えるメカニズムのひとつだと思っています。テモナではそう考えて12年も専門にやってきているので、ここまで注目されることに違和感はありません。

───テモナでは開発部門のトップですが、新たに「テモラボ」という会社を立ちあげ、そちらのトップにもなられました。

テモラボは新サービスの開発を担う戦略子会社です。私自身テモナの中でも新規事業中心に取り組んでいたので、そういった背景もあって担当することになりました。テモナの社名の由来は「てもなく簡単に」という意味の古い日本語です。かゆいところに手が届き、簡単に使えるプラットフォームを目指しているわけです。その考えに基づいて、AIなど最先端技術を活用した斬新な新サービスを投入する。そのための開発部隊です。

テモラボ

───どういった背景で分社化されたのでしょうか。

サブスクリプションプラットフォームも、単純な機能だけでの差別化は現実的に難しくなってきています。これまでも、これからもサブスクが「ONB(お得、悩み解決、便利)」を成立させるサービスであることは変わりませんが、さらなる差別化が必要です。

例えば、ブランディングという観点で愛着などの感情的価値を作り出したりなど、差別化のしやすい分野で勝負するということです。

テモラボではAI技術を活用しながらサブスクプラットフォームの運営データを解析し、これからのサービスのための研究と開発を行います。分社化したのは、革新的なサービスを生むには本体から別にした方が動きやすいという判断です。

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───ECをサブスク×AIの切り口で分析するとどのようなことがわかるんですか

サブスクは究極のロイヤルカスタマーサービスです。特定の顧客との接点をずっと持ち続けるというビジネスモデルのため、データの中から見えるものがより鮮明になります。顧客の特性や、購入前から購入後の行動に至るまで、様々な情報を全体的に網羅して分析できます。

───メディアビジネス的にも参考にしたい視点ですね。

メディアビジネス的には、PVなどもロイヤリルカスタマーに見てもらった情報とそうでない情報をわけて算出できたりします。単純に解約率とかの数字も大切なのですが、そのまえにどういうおもてなしをしたらどうなったかということが分かるわけです。

サブスクの場合、契約をやめそうだなという予兆を見きわめて個別でフォローをしたりするため、対応の内容が動的に変化します。なので、施策も顧客とのエンゲージメント強化の視点から分析することが多いです。

テモナのサービスはサブスクを前提にした動的な顧客体験設計が簡単にできるようになっています。サービスは4万円台から導入可能で気軽に始められ、CRMなど周辺機能も一体化されています。メディア企業からの問い合わせも増えていますし、今年は大きなサービスで次から次へと使われることになると思います。

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───施策を動的に変えつつすべての相関関係を分析するというは、これまで簡単にはできなかったことですね。

普通にやると、すごく大変なことです。だからAIが必要なわけです。

───たとえばダイナミックプライシングの技術がもてはやされていますが、そういうことはサブスクの世界ではずっと分析してきたことともいえますね。

そうなんでしょうね。来月の解約率がこれぐらいだから売上はこうなるなとか、このへんで離脱率が上がるからこのぐらいの価格に下げてみようとか、オマケをつけようとか、いろいろなことをやってきたし、データもたまっています。AIとそれを使ったデータ活用支援を通じて、サブスクプラットフォームができることの領域はまだまだ広がると考えています。

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テモラボも登壇するイベントを29日(水)開催

1月29日(水)には、特集に登場する6社が集まるイベント「Media Innovation Meetup #11 AIでメディアはどう変わるか」も開催。AI✕メディアの領域の最前線で活躍するプレイヤーの話を直接聞けるチャンスです。チケットはPeatixで発売中ですので、ぜひご参加ください。

《堀 鉄彦》

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堀 鉄彦

堀 鉄彦

1986年日経マグロウヒル社(現日経BP社)入社。 日経イベント、日経パソコン、日経ネットナビなどの雑誌編集を経験後、独立し、2018年4月に(株)ブロックチェーンハブに参画。グループ内に(株)コンテンツジャパンを立ち上げる。ブロックチェーン×コンテンツのプロジェクトに取り組む。2019年10月にビヨンドブロックチェーン(株)の取締役に就任。電子出版制作・流通協議会や電子書籍を考える出版社の会など複数のメディア系業界団体でデジタル系サービスの動向レクチャーを定期的に行っています

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